わたしは面白かったです。
脳内で温められた好みの男の人物像は、
現実で生きている本人とはなんら関係なく
どんどんイメージだけが膨らみ、
「絶対にあたしのことも好きなはず」と
その人のこころまで自在に作り上げてしまいます。
それは妄想なんだけれど、
実際に会って話してもなおイチは自分に気があると、
2人でもっと話せば分かり合えると思い込んでいる
「思い込み」が主人公を支配しており、
読者である自分にも身に覚えがあることだっただけに
冷静に主人公を俯瞰していました。
イチは言うならば主人公の「理想」であり
現実には存在しえない王子様である。
一方でニは、あまりに理想から遠い、見たくない現実。
人は理想を追いつつも、
結局は現実を受け入れ、
それによって幸せを積み重ねていくものなのだと思います。
結婚というリミットを考えながら
恋をしなくてはいけない微妙な年頃の心の迷い、
親友のうらぎり、一生を捧げるにはあまりにも興味のなさすぎる仕事など
夢見るばかりでは何もつかめない20代後半の女子には
何らかの示唆をあたえる一冊ではないでしょうか。
ライトな文章は読みやすく、
1時間程度で読了してしまいました。
著者には、
もっとたくさん新刊をだしてほしいです。