最初に1999年に発売され、その後廉価で発売されるなどした旧盤とははいくつかの点で仕様が違っています。まず、旧盤が正規の収録時間の90分であるのに対して今回は86分のPALマスター使用4%早回し盤であるということ。初見の方等にはほとんど気にならないレヴェルですが少し登場人物の声や背景音楽のピッチが早くなっていてほんの少し耳障りに感じました。画質はニューマスター版とのことですが、製作年度を加味しても最近のソフトと比較して劇的に画質が良いというほどではありません。平均化されてシャープネスを抑えたような画調になっています。旧盤と比較すると以前のものはフィルムの質感が強調されたかのようなざらつきが感じられましたがそのぶんメリハリのある画像に思えます。これは完全に好みの問題なのですが。本編そのものの違いに言及いたしますと旧盤でなぜかなくなっていた冒頭のテーマ音楽ですが、今回の盤では上映版同様に復活しています。
ジーン・セバーグとジャン=ポール・ベルモンドがホテルの部屋で会話を交わしたり、ジャン=ピエール・メルヴィル扮する作家(パヴュレスコ)へのインタビューシーンなど、一見本筋とは直接関係ないと思えるようななにげない場面がとても魅力的。作られてからもうすぐ50年が経つというのに、いまだに新鮮さを失いません。