今年、ワタミの社長を辞して会長になった渡邉美樹さん。この本では、「政治」「お金」「仕事」「教育・福祉」など、さまざまな切り口で渡邉美樹さん独自の思考法について語られていますが、最大のテーマは「価値観の転換」だろうと思います。この時代や社会が直面している地球規模の問題を超えるために、新たな価値観を目指そうという壮大なテーマが提示されます。
とくに後半には、渡邉さんの従来の著書よりも深みのある人生哲学が語られていて、読みごたえがあります。売上げや出店数などの数値目標ではなく、未来の世界につながる幸せ、「日付のない夢」を追求していきたい、という著者自身の価値観の転換が率直に綴られ、学校や病院の運営、カンボジアなどの貧しい国々に学校を作る活動など、より大きな夢に向かって真摯に生きようとする決意が伝わってきます。最後の章での、人生を1枚の絵にたとえながら、人間は死ぬまで夢を追い続けることができる、というメッセージには涙がこぼれました……。