1999年に出た単行本の文庫化。
中村勘九郎(いまの勘三郎)が、自身の出たテレビ番組、歌舞伎の演目などの舞台となった土地を歩きまわり、蘊蓄を披露するという本。
大石内蔵助を演じた大河ドラマ『元禄繚乱』の話が多い。赤穂をメインに、泉岳寺とか吉良邸跡とかを訪れている。番組の裏側とかも語られており、役者としての苦労も伝わってくる。
そのほか、両国、深川、日本橋などをぶらつき、『道成寺』や『四谷怪談』が語られている。実際の土地を目の前にしてひとくさり演じてくれたり、実話と歴史が紹介されたり、なかなか面白い一冊だった。
ただ、文章がまずい。本人の語りを小田豊二という人がまとめたものなのだが、べたべたとした話し口調で、生理的に受け付けないものを感じた。まあ、ファンの人だと、直接語りかけて貰っているような感覚が嬉しいのかも知れないが、そうでない読者にはつらいものがある。