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次に、「動物農場――おとぎ話」がすぐれているのは、以下の三つです。第一に、おとぎ話/寓話という手法は、現実を過度に簡略化しているという批判も浴びることになりますが、しかし、著者が話を寓話化し要点を絞った結果、読者に話を理解しやすくし、プロットを予測する楽しみも与えていること。第二に、社会主義という重く悲惨な出来事に関して、この寓話は、多くの寓話にありがちなアウシュヴィッツやレッド・パージという重く悲惨な出来事を軽く描きすぎるようなあやまちを犯していないこと。第三に、社会主義陣営/「動物」を風刺するのみならず、自由主義陣営/「人間」をも風刺する点で公正であること。
最後に、本書に含まれている「象を射つ」、「絞首刑」、「貧しいものの最期」などのエッセーも、それぞれ、近代の植民地主義あるいはポスト植民地主義の本質、絞首の死刑制度(=合法的殺人)の本質、そして近代の監獄制度のひとつとしての病院の本質を考えるさいに欠かせないテクストとなっています。
本書全体を通じて、読者は、自分自身をも批評の対象として冷徹に見つめるオーウェルの批評精神、すなわちあらゆる近代の狂気に対する謙虚で誠実な批評精神とその伝記的背景を理解できるでしょう。
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