近代科学はアリストレスを超克することを初期の課題とした。これは決して簡単ではなかった。アリストテレスはそれほどに凄いのである。しかし既に彼は克服された。だから今日の学生は彼のいうことをそのまま鵜呑みにしてはいけない。だが、私は今こそ本書を読むべきだと思う。彼の学説には今日的には嘘が多い。嘘は例えば目的論的説明を施そうとしたときに多くなる。生物学では目的論的説明は、今日でも多くの人を引きつける。ギリシア時代にあってこれほど多くのことを正確に記載したアリストテレスほどの学者をして、目的論の罠にはまるとこのような誤謬を犯してしまうということは、今こそ肝に銘じておかないといけない教訓であろう。岩波には動物発生学とかも文庫にして欲しい。