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動物園の鳥 (創元推理文庫)
 
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動物園の鳥 (創元推理文庫) [文庫]

坂木 司
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

春の近づくある日、僕・坂木司と鳥井真一のもとを二人の老人が訪ねてきた。僕らの年上の友人でもある木村栄三郎さんと、その幼馴染みの高田安次朗さんだ。高田さんがボランティアとして働く動物園で、野良猫の虐待事件が頻発しているという。動物園で鳥井が掴んだ真実は、自身がひきこもりとなった出来事とどうつながるのか――。はたして鳥井は外の世界に飛び立てるのか、感動のシリーズ完結編。鳥井家を彩る数々の家庭料理をご自宅で作れる、簡単レシピ集「鳥井家の食卓」など、文庫版おまけ付き。

内容(「BOOK」データベースより)

春の近づくある日、鳥井真一のもとを二人の老人が訪ねてきた。僕らの年上の友人でもある木村栄三郎さんと、その幼馴染みの高田安次朗さんだ。高田さんが働く動物園で、野良猫の虐待事件が頻発しているという。動物園で鳥井が掴んだ真実は、自身がひきこもりとなった出来事とどうつながるのか―。鳥井は外の世界に飛び立てるのか。感動のシリーズ完結編、文庫版特別付録付き。

登録情報

  • 文庫: 272ページ
  • 出版社: 東京創元社 (2006/10/11)
  • ISBN-10: 4488457037
  • ISBN-13: 978-4488457037
  • 発売日: 2006/10/11
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (17件のカスタマーレビュー)
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51 人中、44人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 絶対に忘れたくない本です。, 2004/4/3
 私が大学生になったとき、私は知っている人が全くいない世界へと踏み出しました。毎日不安で、人の悪意に出会うことがとにかく恐ろしかったのを覚えています。

 私がそのときまでに得ていた教訓、人とうまく付き合うための手段は「距離を保つ」ことでした。それに従い人と出会う度にこの人とはどれだけの距離を測ろうかと考えたものです。世の中には分かり合えない人が溢れているものと諦めていましたから。

 ところが1年すると、誰にも頼らないように生きるなんてとんでもないことだと思うようになっていました。私は大学の1年を新たな友情の発見ではなく、ただ他人と距離を保つことをして過ごしてしまったのです。行き過ぎた保身ですね。私は人とのコミュニケーションを拒んでいました。それから大人になることにも抵抗していました。ずるいことですが、子どもでいるほうがずっと楽でしょう?大人よりも責任が軽くて。

 『動物園の鳥』を読みながら私は何度も泣きました。同じ言語を話していても、言葉が通じない相手に会ってきて、私は人と分かり合う努力をしなくなったことに気付きました。人とコミュニケーションを取ろうとすることが生きることだとすると、私は生きることを放棄していたということになります。それはご免です。

 大学の1年で学んだように、私は一人では生きられません。世界の何処かにたった一人で人生を闊歩できる人がいたとしても、私はその人の様にはなれません。自分がそんなに強くなかったことを知ったので、素直に人に当たっていこうかなと、考えました。そして、それが大人になるってことなんだろうなと思いました。

 涙が溢れる場面が次から次へと巡ってきて、エピローグも、伊藤清彦さんの解説までも泣きながら読んで、私は心配になっていました。明日、私は明るい気持ちでこの本のことを思い出せるのだろうかと。かつて悲しみを引きずるような本に出会い、しばらくの間沈んでいた日のことを思い出しました。

 でも、違うんですね。私はこの本の構成に感謝します。最後の1ページまで読み終えて、とても晴れやかな気持ちで本を閉じることができました。

 私には何でもなかった昨日、隣にいた誰かが私のせいで心を痛めたかもしれない。けれど私は気付かない。

 日常にはそういうことが隠されているかもしれません。相手のことは分かりません。だからこそ考えるのですよね。分かり合う努力です。そのことを語ってくれたこの本は忘れたくない一冊になりました。

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12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 人の言葉に耳を傾ける心の柔軟さが成長への一歩だ, 2005/8/7
三部作シリーズの最終巻ですが、ここからでも面白いです。
(でもシリーズ全部読破する方が更に味わいが増します)
ラストで問題になるのは、鳥井と坂木の関係はもちろん
個人と世間体、常識との距離、他人のものさしなど
自分達が生きるうえで、行動にどう責任を持つかを考えさせます。
いじめやポイ捨て、動物虐待
自分だけしか見えないと中身が育まれない大人になってしまう
傷が出来ても克服した笑顔が出来る大人
そんな大人への第一歩は、人の言葉に耳を傾ける
心が固いまま大人になるのではなく、柔軟な心を育てていきたい
この本を読むと、自分の心も、人の心も幸を願いたくなる
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ついに完結!ピュアな人間愛を描いた作品, 2006/4/14
3部作の完結編であるが、1・2部と描いてきた

坂木・鳥井の2人を中心とした人々の交流を今回

は完結編にふさわしく、それぞれの登場人物の心

の深い想いにまで踏み込んで見事にピュアな「坂

木司」ワールドとして描ききっています。

主人公がイコール作家名となっている覆面作家の

作品において、恐らく作家が一番言いたかった想

いがこの完結編には込められているのではないで

しょうか。

悪意のある人との摩擦が実際の世界にはある中で、

少しの善意や思いやり、人のやさしさに主人公が

ふれる度に、彼はこの世界はまだ生きていく価値

があると実感します。

また人は自分が存在しているということを無条件

に喜んでくれる人々に支えられていきてきるのだ

という事を主人公は実感します。

これらの想いに強く共感した読者は恐らく数えき

れないのではないでしょうか。

最後がどうなるかは明かせませんが、あとがきの

あとにも物語のページが続いているにで、文字通

り最後まで読者の期待を裏切らない一冊と言える

でしょう。

余談ですが、おやつや、料理の描写シーンも達人

と呼べる域まで達しており、そこを読むだけでも

価値はあります。

またいつか続きを読みたくなるシリーズでした。
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