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世の中には運がある人ない人がいるようだが、もう少し詳しく見ると、ちょっと違う。
たとえば幸運がよく巡ってくる人は、「惜福」がある人だと露伴は言う。
「福の惜しむ」というのは、幸福に対してケチケチすることではなしに、逆に幸福に対してガツガツしないこと。たまたま巡ってきた幸福を使い尽くさないで、天に預けておく。そうすると福(ラッキー)に巡り会う確率がアップする。
自分に回ってきた福を独り占めしないで、一部は人に分け与えるようにするのは「分福」である。この工夫で、より大きな福(ラッキー)が来ることになる。レヴィ・ストロースもいうように、あるいは『金持ち父さん』もいうように、人間は、本当に欲しいものを、誰かに与える(プレゼントする)ことを通してしか、手に入れることができないのである。
幸運の女神が好むところを知り、女神が立ち寄る種をつくること、「福を植える」こととして「植福」という。
こういう幸福三説に『努力論』はかなりのページが割いている。
『努力論』は「努力しろ」とか「努力して成功しろ」というお道徳本でなく、「努力してるのに、さっぱりだ」という人向けに、露伴が頼まれて書いたもの。頼む方も方だが、引き受ける方も方だ。そして、露伴はやっぱり凄かった。
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