本書は通りいっぺんの努力ではなく
壁を乗り越える、本気の意欲である努力を
宇津木さんが読者に問う一冊である。
「努力は裏切らない」「練習は裏切らない」を背骨として
考え抜く姿勢、たゆまぬ練習、挨拶や礼儀、
感謝する心構え、節制した生活態度など
本書に書かれていることは飛びぬけて特殊なことではない。
古風とも思えるような基本的な考えが述べられている一方で、
くだらない上下関係の廃止や中心選手、控え選手へのアドバイスなど
悪癖を一蹴する先進的な考え方も多く述べられている。
研究であれスポーツであれ何か一芸に打ち込んでいる読者であれば
ヒントがちりばめられている指南書になりうると考える。
ただ、読者自身の鍛錬に対する耐性、後進の指導への関心が希薄だと
やや距離感が生じるかもしれない。