私は助産師さんの介助で、長男を自宅出産しました。24週までは市民病院に検診に通っていましたが、そのたびに正常産であれば(全体の7〜8割)医療が介入する必要はない、ということを実感していました。会陰切開が本当に嫌だった、というのが自宅出産に決める決定的な理由でしたが…。
出産にはリスクが伴う、これは自明のことです。多くの妊産婦と世の中の認識が医療機関での出産=無条件のリスク回避の手段だと信じたことが、今、多くの産婦人科医を追い詰めているように思います。助産師との出産を目標に妊娠期間を過ごして、私はごく自然に妊娠とは本来リスクを伴う行為だと(いい意味で)認識することができました。そして、そのリスクを少しでも少なくするために、主体的な努力ができるのも自分自身なのだと。そして実際に良い食事、適度な運動、休養、保温と、自分にできるあらゆる努力をしました。そして、結果的に安全に出産することができました。
産婦人科の医師がそうであるように、助産師もまたリスクを回避するための手段ではありません。産婦と信頼関係を築きながら、1つずつリスクの芽を摘んでいく手伝いをしてくれる人、また不可避なリスクが発生した場合には、対処のノウハウをもっている機関に中継するための判断をしてくれる人です。
出産を安全に終わらせるために主体的な努力をするのは、誰と生むのであれ産婦自身なのです。
助産師がくれる何より大きなもの、それは本文にもあったとおり「時間」です。
助産師さんと経験する出産はゆっくり進みます。その間にゆっくり会陰も伸びてきます。出産での疲れが少ないので、その後の母乳育児もスムーズです。日常生活での一こまのような穏やかな出産を通して、周りの家族もゆっくり育っていきます。
一人でも多くの女性がこの本をきっかけに、そっと人生に寄り添ってくれる女性「助産師」に出会えますように。