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加藤周一を読む――「理」の人にして「情」の人
 
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加藤周一を読む――「理」の人にして「情」の人 [単行本]

鷲巣 力
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

専門領域を軽やかに飛び越えて、古今東西、森羅万象に興味・関心をひろげ、書くこと、読むこと、語ることを中心に営まれた加藤周一の90年近い人生。その生涯にわたっての言動をゆるぐことなく支えたものとは何だったのか。「ことばと人間」を信じ、尊び、愛し、なによりも大事にしつづけた、その著作活動の全軌跡を展望する。

内容(「BOOK」データベースより)

専門領域を軽やかに飛び越えて、古今東西、森羅万象に興味・関心をひろげ、書くこと、読むこと、語ることを中心に営まれた加藤周一の九〇年近い人生。その生涯にわたっての言動をゆるぐことなく支えたものとは何だったのか。「ことばと人間」を信じ、尊び、愛し、なによりも大事にしつづけた、その著作活動の全軌跡を展望する。

登録情報

  • 単行本: 352ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2011/9/16)
  • ISBN-10: 4000258214
  • ISBN-13: 978-4000258210
  • 発売日: 2011/9/16
  • 商品の寸法: 19 x 13.4 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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去年全10巻が完結した『加藤周一自選集』の毎回の解説文には注目しており、いずれ一冊の本にまとまるとは思っていたが、こんなに早く刊行されるとは思っていなかった。嬉しい驚きである。
内容は、その解説文が芯になるのでさほど目新しくないのかと思っていたが、読んでみると、ボリュームも増えて時代背景なども格段にわかりやすくなっており、こうして一冊にまとまることによる利点を存分にかんじた。ここに描かれる加藤周一は、これまでにみえていたより、より肉体的であたたかい。―「理」にして「情」の人―という、当初やや長すぎるように感じたサブタイトルがしっくりなじんでくる。
そしてまた図版の魅力的なこと!私は、長らくどんな絵か見てみたいと思っていた『死んだ小鳥をもつ少女』が章の扉に使われているのを確認してこの本を購入したが、その他の扉絵も、どうしてこんなものが残っていたのかと驚いた。特に、加藤の母が亡くなった日の日記にはぐっとくるものがあった。
この本をきっかけに、あらためてまだ完読していない自選集を読みなおそうと思う。
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By oha
「自選集」の解説に加筆したら3倍の分量になったという。記述は包括的で周到であり、挿入された図版のいくつかは貴重なものだ。本書は加藤評伝の、絶後ではないかもしれないが空前の作である。

細かい瑕疵をあげつらうことはやめたい。が、1っだけ私見を述べたい。それはほかでもない加藤の棺に入れたという3冊の本のことである。その選択について鷲巣は「矢島翠氏の見識に脱帽する」(p364)と書いている。私は必ずしも賛成しない。

「フランス語版聖書」(もちろんエルサレム版だろうが)と「岩波文庫版論語」(1冊本ということなら仕方ないだろう)には異存はない。問題は「ドイツ語版カント実践理性批判」である。「加藤の思想に響き合う、愛読していた古典」という点で、そぐわない気がする。ドイツ語に拘るなら、加藤のかつての枕頭の書、ヴィットゲンシュタイン「Tractatus Logico-philosophicus」がよりふさわしいが、もっとふさわしいのが「渋江抽斎」だと思うのだ。

発見されたノート、ことに「日記」がおおやけになったとき、また新たなる加藤論が誰かによって書かれることは間違いないだろう。すでに日記によれば1941.12.8には加藤は新橋演舞場にはいなかったらしいことが明らかにされている。
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『加藤周一自選集』(全10巻、岩波書店)のあとがきを
補足・拡大して生まれたのが本書です。

加藤氏は文学、美術、政治・社会など幅広い領域で活躍されたことも伝える一方で、
本書は「変化と持続」、「時間と空間」、「戦争と知識人」など
加藤さんにとっての運命の主題である「日本人・日本文化とは何か」を深めてきた点を強調しています。
また、加藤さんを森鴎外の継承者と見なしているのは
今までにない捉え方だと思いました(第9章、312頁)。

副題が「「理」の人にして「情」のひと」とあり、
家族・身内を大切にした人柄を伝えていますが、
それに加えて『論語』の中の一頭の牛を助ける件を
載せればより「情」のひとを打ち出せたのではないかと思います。

『自選集』10巻へのガイド、もしくは加藤さんの仕事を知るための序章になると思います。
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