数多い力道山本が出版される中、ご存知(かな?)「プロレスの味方」の著者が、2000年に出版した「評伝」の文庫版(2002年)である。誰がなんと言おうと力道山は戦後最大のヒーローだった。そのヒーローの影はあまりに深く、また「日本人には見たくない歴史」も抱えていたことは今では広く知られている。また、これまで何回かの「故力道山ブーム」を経て「暴露されてきた事実」は力道山を「ヒーロー」から「異人・周辺化」してきたとも言えよう。著者は、自身のリアルタイムに経験してきた「力道山体験」をベースに、もう一度「日本人にとっての力道山を問い直す」試みを本書でしている。それが「成功」しているか、どうかは、読者それぞれの判断であろうが、著者の試みは「問い」としては、十分に「意味」を持っているのではないか。「力道山」と聞いて、ピンとくる人には一読の価値はあるだろう。