物理の世界ではランダウの著書を悪く言ってはいけない決まりがあります。事実すばらしい教科書だと思います。読者が一通りの知識を得てから読む限りは、ですが。
この本を読んだのは二年目の後期で、学部の解析力学の講義で参考書に紹介されていたからです。もしも、今の私が当時の私に忠告できれば、原島鮮先生などの入門者向けの解りやすい本を勧めます。
学校のクラブ活動などでも、昔は、苦しい思いをすればそれだけ効果が上がる、という間違った考えがありました。水を飲まずに長時間の練習をする、痛みを感じるほどの柔軟体操をするなどです。教養や学部の学生にランダウを勧めるのは、勉強版の根性論ではないかと思います。
一気に高いエネルギー障壁を越えるのと、中間の状態を経由して二段階で越えるのと、どちらが易しいかを考えれば明らかですが、易しい入門書を経由するほうが時間を節約できるのです。学生が学ぶのは解析力学だけではありません。節約した時間を他のことに向けるのが総合的な考えでは効率的だと思います。
修士課程に進んでから、あるいは卒業してから、この本と『
場の古典論(ランダウ=リフシッツ理論物理学教程)』を読むのは、物理の考え方を見直す上で良い読書だと思います。ですが、読まなければ物理の研究ができないかというとそうでもありません。また、物理の考え方を学ぶ上で良い本は他にもたくさんあります。