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38 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ヒトラーが分る1冊,
By 前多昭彦 (神奈川県横浜市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 劇画ヒットラー (ちくま文庫) (文庫)
ナチスドイツ総統・アドルフ=ヒトラー、本作品は余りにも有名なこの独裁者の生涯を描いたものです。物語は1908年、オーストリアのウィーンで下宿生活をしている19歳の美術学校浪人生ヒトラー青年の元へ、親友のクビツェックが訪ねて来るところから始まります。 そして物語はその後の浮浪者生活、第1次大戦での軍隊生活、ドイツ労働者党入党、国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)の成立、政権掌握、第二次大戦勃発と続き、1945年4月30日、ベルリンの総統官邸地下壕における彼の自殺で幕を閉じます。 水木しげる氏の独特なタッチにより、時には面白おかしく描かれていくヒトラーの生涯、そこには批判も、もちろん賞賛も無くただ淡々と事実が描かれています。そのため、歴史モノにありがちな難解さが無いので読み易く、逆に読んでいると考えさせられる事が多い作品です。 ヒトラーという人物に少しでも興味がある方は、是非読んでいただきたい1冊です。
58 人中、53人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
好悪の感情を抜きに描かれた一人の独裁者,
By
レビュー対象商品: 劇画ヒットラー (ちくま文庫) (文庫)
水木しげるの戦争モノによく見られる、
作者の感情が介入しない視点によって本書は描かれている。 芸術家の夢破れた浮浪者が兵士となり、政治に参加し、 一国の独裁者へと駆け上がり、ドイツ第三帝国として膨張し、 その完全なる崩壊までが描かれているわけだが、 水木はヒトラーが善であるとか、悪であるとか一切の批評を加えない。 物語に必要な事実だけを組み上げてゆき、ひたすら淡々と物語を進めるのである。 そこが戦争モノを書くときの水木の凄みであり、 痛烈な威力を持って我々に迫ってくる劇画の魅力だと思う。 水木漫画独特の滑稽さもしっかり生きているから、楽しめる作品でもある。 独裁者ヒトラーのスケッチとして、素晴らしく上出来だといえるし、 一つの完成された人間像の提示を本書は約束してくれる。 水木劇画のなかでも出色ではないだろうか。 少なくとも私はそう思っている。
23 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
時代が彼を生み、彼が時代をつくった,
By
レビュー対象商品: 劇画ヒットラー (ちくま文庫) (文庫)
本作はヒトラーが軍隊生活から党活動へて合法的に権力をにぎり、ドイツを戦争にかりた
て、最終的に自らの命を絶つまでを描いています。 この作品は全編シリアスな調子で描かれています。『劇画 近藤勇』のときに見られたよ うな、筆者独自の人物観が本作にはありません。ヒットラーのばあい身近な過去なので、 創作の余地を挟み込むわけにはいかなかったのでしょうか。いずれにせよ水木流をあまり 感じさせないという意味で異色な作品です。
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