リアルタイム「うる星」世代のファンとしても、残念ながら、この作品は劇場版の中では一番の駄作と言うしかない。
肝心のシナリオが「ラム&あたる」を強調するためだけの「手段」にしかなっておらず、ルウとラーラも「ふたりの仲を邪魔する」という、「シナリオの都合で動かされているだけのキャラ」にしかなっていない。そのため、ふたりにまったくキャラとしての魅力が感じられないのが致命的。
特にルウは、終始ストーカー紛いの一方的な思い込みでふたりの仲を邪魔するだけの「悪役」としてしか描かれていない。オマケに外見も性格も「生意気なガキ」で見ていてムカつくだけ。「オンリー・ユー」ではその役割が女性(エル)だったからまだ良いが、男女の間に割って入るキャラを男にしたら見苦しいだけ。しかも「背後には呪いの影響があった」という、言い訳がましいオチが付いてくる有様(その黒幕が呪いを掛けた理由も取って付けたような下らないもの)。
一方、ラーラも、こじれた状況をまとめ、とりあえずエンディングに導くための「ご都合主義的なアドバイザー役」としてしか存在していない。こうした「シナリオありき」でキャラが設定され、動かされているので今作のオリキャラには魅力を感じないのだろう。
そしてその「シナリオありき」の作り方のせいで、他のレギュラーキャラたちもいつものように動けていない。結果、必然的にレギュラーキャラの努力や協力で状況を打破するという、「うる星」として「こうあって欲しい」という健全な展開が阻害されている。特に、ラムがいなくなったからとさっさと地球を後にしてしまう弁天やお雪の薄情さにはガッカリさせられた。この点も各キャラが活躍した「オンリー・ユー」とは比較にならない。
また、ふたりを出会わせるためのギミックが「運命の赤い糸」だったとか、輪廻転生して何度も出会うというシーンのベタベタな演出が恥ずかしすぎる。そのくせ、ラストであたるの指に何本もの赤い糸が繋がっているというオチは、笑わせようとしたのだろうが、それまでのラブラブな展開を無視しすぎているうえに、あまりシャレになっていない。
前作「ビューティフル・ドリーマー」の完成度が高すぎたせいか、劇場版に対する期待が大きすぎた。唯一、ハードロック調の主題歌が良かっただけ。