非常に評価が分かれる作品かと思います。少なくとも万人に手放しで勧められるものではないです。
まず感じたのは、劇場版から矛盾螺旋に触れた方には少々酷な作品だということです。冒頭いきなりから中盤終わりまではシーンの切り替え・反復がとことん多く、またシーンとシーンの因果関係が掴みづらいので、話の筋が読み取りづらい。螺旋の雰囲気を上手に表しているとも受け取れますし、断片的すぎて視聴に障る・不快になるという見方もあるでしょう。
良くも悪くも劇場版は断片シーンが印象に残ります。原作準拠の時系列・作風にすれば無難になりすぎるのかも知れませんが、1〜4章とは違って長時間の映像ですし、できればある程度の分かりやすさ・素直さがあった方が作品に没頭させやすかったのではないかと思いました。
とはいえ、観た方それぞれが何かしら見所を発見するとは思います。私個人はアルバの少々危なめな雰囲気が原作以上に醸し出されていた点が好きでしたし、両儀と荒耶の戦闘シーンも1章に負けず劣らず身震いしました。逆に臙条の『惚れてるんだ』はそこに至る過程が余りにも説明不足で、ちょっとあんまりかなと。
なので感想としては、いいシーンと悪いシーンの落差がありすぎるということでしょうか。平均値で高評価な作品とはちょっと言い難いです。
表現がかなり特殊なので、観てみて面白くなかったと思ったならば堂々とそう主張していいタイプの作品だと思います。逆に好きな方にはとことん好きになってほしい作品でもありますね(どんな作品にでも言えることですが)。
本心を言えば。この『矛盾螺旋』・より素直にまとまった『矛盾螺旋』の二つならやはり後者を選びます。アニプレックスの岩上プロデューサーが非常な野心作になると語っていらしたりしたんですが、折角の劇場版なのだから、普通の野心作が良かったかと。