劇場版ポケットモンスター第4作
森の精霊、セレビィと40年前の世界からタイムスリップしてしまった少年ユキナリ。彼らとサトシ達の出会いと別れを描いた作品。
ポケモン映画では初めての「勧善懲悪」となる本作品。劇中で登場する敵「仮面のビシャス」は、セレビィを使って森を破壊していく。
自分の欲望のためだけにポケモンを傷つけ、自然を破壊するビシャス。その行動は直接的ではなく、ポケモンを使った「間接的」なものである。彼は「仮面」という匿名性に守られた、現代の大人達の姿を表す。そのビシャスを「悪」以外の何者でもない、と作品は訴えている。
セレビィや森を守ろうと懸命になるサトシ達の視点で子供達は観るが、大人はビシャスの仮面の内側から作品を観ることになる。そこに重要性があると思う。
しかしすべての大人が「悪」である、というのは間違いだろう。それがユキナリの存在だ。
ユキナリは昔から自然を守り続けてきた大人達の「意志」である。
「ユキナリ」から「サトシ」へ。この「意志」の伝承こそがこの作品のテーマである。人間による自然破壊の問題を、伝承物語として描いたことがこの作品のすごい所だと思う。
しかし問題点もある。ビシャスの残虐性だ。
無抵抗のポケモン達を笑いながら傷つけていくビシャスの姿は、小さい子供にとって刺激が強すぎる、と感じる。
間違いなく現時点でのポケモン映画最高傑作である本作。
しかし、小さな子供が観るのであればいささか注意は必要だろう。