この劇場版の文学少女、はっきりいって映画の出来はいまいちである。原作のあるひとつのエピソードに焦点をあて、その他の原作の大部分をカットしている。まあそれはいいんだが中途半端に原作のネタをはさんだり、原作の重要人物を映画では完全カットしておきながらエンドロールだけなぜか登場させたりしている。ファンサービスのつもりかもしれないが原作未読の人からすれば誰?ってなもんである。
話の展開もあまりに強引だ。特にラストの遠子と心葉のくだりはあまりに唐突、原作未読の人でもはしょっているのはわかるだろう。それに遠子の文学少女としての意味も希薄に感じられた。ホントこの映画では本を食べることなんてどうでもいいことに感じてしまう。原作の本質には触れられず表層をなぞっただけのように感じた。
ただ遠子はとてもチャーミングでちょっと神秘的で原作のイメージそのまんまなのはとても良かった。声優の花澤香菜さんの演技はさすがでしたね。
この遠子先輩の魅力で原作を読みたいと思わせればこの映画は成功なのかもしれない。なにせ原作は映画の何100倍も濃厚で濃密で壮大なのだから。遠子の文学少女としての業もたっぷり描かれていますよ。とにかく遠子先輩が気になった人は迷わず原作を。