本書は、一橋大学の有名教授、伊丹敬之による論文作成のための心得集である。単なる文章作成マニュアルに終わるのではなく、論理的に正しい論文とは何か、読み手を正しく導くための注意点は何かを、生徒たちとの議論を交えながら説いている。
本書の約半分を占める生徒たちとの対話では、生徒たちの自省を通して、書き手が陥りやすいワナを見事に指摘している。少数のアメリカ企業を取り上げて一般化してしまう、つながっていないのに文章でごまかしてつなげる、などの例を読んで反省する人も多いのではないだろうか。
もう半分の「概論編」では、研究のしかたと文章の書き方を指南している。全体的に、正しい論理構成やデータの扱い、仮説の検証などに紙数が費やされており、長い目で見れば、手っ取り早い文章マニュアルよりも役に立つ。
文章術に関しては、明確な書き方は示されていないが、「アウトラインを準備する」「『構造』あるいは『流れ』で(文章の)つなぎを作る」といったアドバイスは、書き手にとって有益だろう。社会科学の研究に携わる研究者やビジネスパーソンに、ぜひおすすめしたい1冊である。(土井英司)
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内容は、1テーマ探し(探索量と範囲で。テーマは「不思議で」「面白い」ものを。具体的なトピックは狭く、しかしどんな広がりを持ちうるかということについては大きく考える。テーマ探しには何段階か必要。うろうろプロセスが必ずある。入り口は狭くても奥行きのある、より本質につながっていることがポイント。思考実験を繰り返す。不思議と思ったことに論理を繰り返す。)
2仮説と証拠提示(理論を現実に無理に当てはめようとしないこと。分析対象のレベルはあわせるべき。仮説の萌芽アイデアは現実の不思議を見る目から。現実のまとめ方・証拠の提出の仕方は、データ・厚い記述・論理の三つ。論理的に当たり前のことがおきていないか、なぜを三度問う。)
3書き方(「プロは舞台裏を見せるな」結論は三行で。とにかく書く-つながりが悪いところは論理が飛んでいる、後から直せば良い)
4止めを打つ(結論は政策的・理論的・現実解釈論をいう。オーバージェネラリゼーションは不可。自分のやったことを広い地図の中で位置づけ終わる)
といったようなもの。要は、広い視野で、具体的なテーマを論理と現実を大切に本質に迫ること。論文が書きたくなります。
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