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創造的論文の書き方
 
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創造的論文の書き方 [単行本]

伊丹 敬之
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (22件のカスタマーレビュー)
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創造的論文の書き方 + 社会科学系のための「優秀論文」作成術―プロの学術論文から卒論まで
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――「いい研究」の定義、「いい文章」の定義には、それぞれ2つのキーワードがある。研究の場合は、「意義があると思える」と「たくみに迫る」であり、文章の場合は、「説得的に」であり、「わかりやすく」である――。

   本書は、一橋大学の有名教授、伊丹敬之による論文作成のための心得集である。単なる文章作成マニュアルに終わるのではなく、論理的に正しい論文とは何か、読み手を正しく導くための注意点は何かを、生徒たちとの議論を交えながら説いている。

   本書の約半分を占める生徒たちとの対話では、生徒たちの自省を通して、書き手が陥りやすいワナを見事に指摘している。少数のアメリカ企業を取り上げて一般化してしまう、つながっていないのに文章でごまかしてつなげる、などの例を読んで反省する人も多いのではないだろうか。

   もう半分の「概論編」では、研究のしかたと文章の書き方を指南している。全体的に、正しい論理構成やデータの扱い、仮説の検証などに紙数が費やされており、長い目で見れば、手っ取り早い文章マニュアルよりも役に立つ。

   文章術に関しては、明確な書き方は示されていないが、「アウトラインを準備する」「『構造』あるいは『流れ』で(文章の)つなぎを作る」といったアドバイスは、書き手にとって有益だろう。社会科学の研究に携わる研究者やビジネスパーソンに、ぜひおすすめしたい1冊である。(土井英司)

出版社/著者からの内容紹介

論文の書き方とはつまるところ研究のしかた考えかたなのだ,という強烈にして当然のメッセージを,学生の悩みに答え,著者の経験を整理し,指導の現場からの手引きを開示してアドバイスする。ハウツーやマニュアルをはるかに超えて展開する,新・学問のすすめ。

登録情報

  • 単行本: 287ページ
  • 出版社: 有斐閣 (2001/12)
  • ISBN-10: 4641076499
  • ISBN-13: 978-4641076495
  • 発売日: 2001/12
  • 商品の寸法: 18.6 x 13 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (22件のカスタマーレビュー)
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29 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By omr
形式:単行本
論文の書き方になぞって、ものの考え方・見方をきっちり学ぶことができます。基本的なものの考え方ができていないと、論文は書けない、ということでしょう。知識が増えても混乱しないのは知識の相互・構造関係を把握しているため、アイデアには刺激と整理が必要、本質は何かを常に考える、言葉を大切に使う、など一般的な仕事や社会生活に関わる洞察の仕方・態度も学ぶことができます。

内容は、1テーマ探し(探索量と範囲で。テーマは「不思議で」「面白い」ものを。具体的なトピックは狭く、しかしどんな広がりを持ちうるかということについては大きく考える。テーマ探しには何段階か必要。うろうろプロセスが必ずある。入り口は狭くても奥行きのある、より本質につながっていることがポイント。思考実験を繰り返す。不思議と思ったことに論理を繰り返す。)
2仮説と証拠提示(理論を現実に無理に当てはめようとしないこと。分析対象のレベルはあわせるべき。仮説の萌芽アイデアは現実の不思議を見る目から。現実のまとめ方・証拠の提出の仕方は、データ・厚い記述・論理の三つ。論理的に当たり前のことがおきていないか、なぜを三度問う。)
3書き方(「プロは舞台裏を見せるな」結論は三行で。とにかく書く-つながりが悪いところは論理が飛んでいる、後から直せば良い)
4止めを打つ(結論は政策的・理論的・現実解釈論をいう。オーバージェネラリゼーションは不可。自分のやったことを広い地図の中で位置づけ終わる)
といったようなもの。要は、広い視野で、具体的なテーマを論理と現実を大切に本質に迫ること。論文が書きたくなります。

このレビューは参考になりましたか?
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本|Amazonが確認した購入
***
 本書は,タイトルの「創造的論文の書き方」とは縁のなさそうな「エルーシブ(Elusive)」というトランプのゲームの紹介から始まります。
 このゲームは,「神様」役になる人が,トランプのカードを,あるルールに従って次々と見せていくのですが,プレーヤーには,その「神様」のルールは知らされません。そこで,プレーヤーは,見せられたカードの順序から,「神様」のルールを当てようと競争し,速く当てたプレーヤーが勝ちとなるというものです(1頁)。
 このゲームの紹介に続いて,「研究活動」とは,「目に見える現象の背後に隠されている原理・原則」を「発見」または「推測」し,それを仮説として提示し,その「仮説が確からしいことを示す証拠を提出すること」なのだから,研究活動とは,「エルーシブ」をやるようなものだと述べて,本論に入ります(2頁)。
 そして,本書のタイトルである「創造的論文」とは,「エルーシブ」の意味での「いい研究」(不思議な現象を説明できる仮説の発見と証拠による検証)が「いい文章」で(発見した原理・原則や仮説を「説得的にわかりやすく」)書かれたものであるとして,本文の核心部分をあっさりとクリアしています。
***
 そして,それ以下の本文(対話編に続く概論編(115〜270頁))では,このことを論文作成の流れに沿って,以下のような構成に従って,「創造的論文の書き方」を指南しています。
  起:第1章 テーマを決める
  承:第2章 仮説と証拠を育てる
  転:第3章 文章に表現する
  結:第4章 止めを打つ
***
 しかし,筆者の助言(7頁)に従って,本書を「二度読み」してみると,本書の特色は,「創作的論文の書き方」というタイトルとは異なり,博士課程における「論文指導」のあり方を明らかにした点にあるのではないかとの疑問点が生じます。その理由は,以下の通りです。
 本書において著者は,「プロは舞台裏を見せない」(64頁),「プロは舞台裏を見せるな」(65,66,69,101頁),レポートとは異なり「論文では舞台裏は書く必要は全くない」(69頁),「論文の文章は,舞台裏で勝負すべきではない」(193頁),「舞台裏を見せまくるのは恥ずかしいことである」(192,283頁)というように,論文を作成して公表するという「表舞台」に立つ者の心得として,論文作成のプロセス等の「舞台裏」を見せるべきではないと,「しつこい」ほどに繰り返しています。
 それにもかかわらず,「創造的論文とは」という「序」に続いて展開されているのは,100頁以上にわたる対話編「若き弟子たちの悩み」であり,筆者によれば,これは,「気恥ずかしい」が,「自分の発想の舞台裏を他人様に見せるようなもの」(iii頁)であるとされています。
 もしも,筆者のいうことが正しいとすると,100頁以上にわたって展開される対話編「若き弟子たちの悩み」は,「舞台裏を見せまくる」ものであり,「プロとして恥ずかしいこと」になるはずであり,筆者が繰り返し述べている本書の趣旨と矛盾します。
***
 しかし,筆者の意図を度外視して,本書全体の構成を,以下のように解釈することが許されるならば,本書にまつわる様々な問題点が解消されます。
  1.序章「創造的論文とは」(1〜8頁)は,本書の「序幕」である。
  2.対話編「若き弟子たちの悩み」(9〜114頁)が,本書の「表舞台」であり,その「主役」は,大学院生A,B,C,Dである。
  3.概論編「研究の仕方,文章の書き方」(115〜270頁)は,実は,対話編「若き弟子たちの悩み」の注釈であり,「舞台裏」に過ぎない。
***
 このように考えると,筆者が「舞台裏」と位置付けている対話編「若き弟子たちの悩み」が,「表舞台」と位置付けられている概論編「研究の仕方,文章の書き方」の前に,延々と続くという,本書の「奇妙な構成」の謎を解くことができます。
 なぜなら,本書の真の「表舞台」は,筆者の意図とは異なり,先に述べたように,実は,対話編「若き弟子たちの悩み」であり,それに続く概論編「研究の仕方,文章の書き方」は,表舞台で議論されたことの注釈,もしくは,付録であり,筆者の無理な喩え話や無駄な重複も,「舞台裏」の話なのですから,笑って許されることになるからです(本書の「エルーシブ」的解釈)。
***
 本書をタイトル通りに「創造的な論文の書き方」として評価するならば,筆者も認めているように,「基本的な,当たり前のことを書いてきた」(241頁)だけで,類書と代わり映えのしない平凡な本ということになります(創造的な論文の書き方とその評価方法に関してならば,澤田昭夫『論文のレトリック−わかりやすいまとめ方』講談社学術文庫(1983)の方がお薦めです)。
 しかし,本書を,社会学系の博士前期課程(修士課程),および,博士後期課程における「論文指導のあり方」を論じたものであると「エルーシブ」的に解釈するならば,対話編「若き弟子たちの悩み」の主役である「A,B,C,D」が,著者の指導によって,めざましい成長を遂げていることが生き生きと伝わってくるのであり,本書を高く評価することができます。
 私は,本書を「論文指導のあるべき姿」,すなわち,論文指導の「表舞台」と「舞台裏」の両者を明らかにしたものと評価しますので,博士課程への進学を志しているすべての学生,および,博士課程で論文指導に当たっているすべての教員に本書を薦めたいと思います。
このレビューは参考になりましたか?
25 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
この本は研究とは何か、研究を行うプロセスとはどういうものかについて多くの思考の材料を私に与えてくれた。日本やアメリカで市販されている他の論文の書き方の本とこの本が大きく異なる点は、その「議論の深さ」であろう。研究者を目指す方がこの本を読むことで得られるものは、創造的論文を短期間のうちにすぐ書けるかというものではなく、研究するものは何であるのか、論文を書くことは何であるのか、といったより本質的な問題について色々考えさせられる点であるように思う。従って、場合によっては今取り掛かっている論文の完成時期がこの本を読むことでかえって遅れるかもしれない。しかし、そうなるとしてもその遅れは「創造的論文」へより近づくためのプロセスであると考えるべきである。その価値がこの本には十分あるのだ。他のレビューでアナロジーを多すぎるという批判があったが、私はこの本の中で使われたアナロジーは非常によく考えられていたもので、読者の理解を助けるものであると思う。これから読む読者には、この本をじっくり、3回くらいは読むことをお勧めしたい。そのくらい素晴らしい一冊である。
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投稿日: 2004/6/17 投稿者: rene21
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