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明治以来、西欧に「追いつけ、追い越せ」できたが、今度は、「創造力でもって、新しい歩みを始める」時期に来たとし、自らの道を自ら切り開いて、進むべき時代が来ていることを説いている。 教育システムも、抜本的に改める時期を迎えていることを指摘。創造性のある人材の育成が課題であると説く。
創造性豊かな人材に、大活躍してもらわなければ、21世紀の日本の発展はなく、「創造人の論理」が受け入れられる社会であることが必要と説く。 創造力を身につけるには、生来のタレントを見出し、自らの座標軸のもとに、磨く努力をすることなど、参考になることが多く述べられている。
今この時期こそ、多くの人が読んで、創造力を身につけ、転換の指針にして欲しい本である。
著者は言わずと知れたノーベル物理学賞受賞者の江崎玲於奈博士。アメリカで長年研究生活を送っていた経験から、日本とアメリカの教育体制の比較を中心に、アメリカ人と比較して日本人には創造性がないと説いている。アメリカでの研究環境はよほど快適だったのか、アメリカのシステムの賞賛に終始徹している。本書は、日本が創造性のある人材の育成を目的に「ゆとり教育」を取り入れ、その弊害が見られ始める以前の1997年に執筆されたのだが、その後その教育は、創造性ある者を増やしたかもしれないが(証拠はまだない)、日本の子供の学力を全体的に下げてしまった。アメリカは今、方針を転換し、日本がそうであったように「引き出す」事よりも「教え込む」事の重要性を再認識している。私はノーベル賞級の研究者を増やすために日本に必要な事は、創造性のある人材の育成をめざす教育ではなく、創造性のある人材をさらにたたき上げるシステムだと思う。
日本が鎖国を解除してわずか50年後に始まったノーベル賞の受賞者がアメリカと比較して少ないとか、日本の短所をアメリカの短所とではなく長所と比べている点に多少強引な所があるが、日本の発展を願う気持ちは痛いほど伝わってくる。そして多くの研究者を勇気づける書だ。著者の主張のごとく、アメリカを追い越せといった後発意識ではなくゼロから何かを生み出すという先発意識は、これからの日本に非常に大切になると思う。鎖国解除から150年、英語教育の重要性も謳われる今の日本。イニシャル・ハンディーキャップが無くなってきたこれからが日本の実力の見せ所だと思う。
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