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創造―生物多様性を守るためのアピール
 
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創造―生物多様性を守るためのアピール [単行本]

エドワード・O.ウィルソン , 岸 由二
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

《大地と海と空に生きものたちの賑わう地球》を守るために――

現在、地球の生物種は「第六の大絶滅」と言われるスピードで減少している。この危機を回避すべく、科学と宗教の連携を目指して筆を執った、生物学の大家、E.O.ウィルソンによる渾身の自然保護論。
豊富な実例を元に、地球の環境や生物のおかれた現状を示し、生物学教育の充実や、次代を担うナチュラリストの育成、市民との連携による生物種調査の推進など、生物多様性保護のために、いま我々ができることを提唱する。

内容(「BOOK」データベースより)

地球の生物種は「第六の大絶滅」と言われるスピードで減少している。生物多様性論の旗手、E・O・ウィルソンからの警告と提言。

登録情報

  • 単行本: 256ページ
  • 出版社: 紀伊國屋書店 (2010/4/22)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4314010649
  • ISBN-13: 978-4314010641
  • 発売日: 2010/4/22
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.4 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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27 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
「人間の本性について」「社会生物学」で、進化生物学と人間との関わりを問う道筋を切り開き、「生命の多様性」で生物多様性概念を世に広め、自伝「ナチュラリスト」で最高の生物学者はいつでも子供のような博物学的興味から誕生することを教えてくれた、世界を代表する生物学者ウィルソン。そのウィルソンが、これまでになくハンディで読みやすい進化生物学的視点で、生物の多様性の大切さ、人間と生き物のにぎわいとの関わりの必然を説いたのがこの本だ。ウィルソン生物学の入門書とも言っていい、間口は広く、敷居が低いが、奥の深い傑作。なぜか。それは、アメリカで今も根強く一般社会にある、進化論を否定するキリスト教原理主義に基づく「創造論」や「インテリジェントデザイン」を推す、「良心的で信心深いが、科学の知見に欠ける」普通のアメリカ人に向けて書かれたものであるから。ゆえに、本書のタイトルは、聖書を想起させる「創造」というタイトルが冠されている。この点に関しては、ドーキンスが「神は妄想である」、グールドが「神と科学は共存できるか」を出しており、世界トップの進化生物学者全員が、キリスト教と進化論との対峙について、大きなな論陣を張らざるを得ない英米の文化事情、社会事情が垣間見えて、それもまた興味深い。併読するとドーキンスの否定、グールドの戸惑い、ウィルソンの共存、という立ち位置の違いが見えて、これまた面白い。なお、日本の読者のために書かれた、ウィルソン「人間の本性について」、ドーキンス「利己的な遺伝子」の訳者として進化生態学をいち早く日本に紹介し、一方で、三浦半島小網代の自然の保全や、鶴見川流域の保全活動で環境問題の最前線にも立っている岸由二慶応大学教授の、かゆいところに手の届く解説がありがたい。生物多様性会議が名古屋で開かれる今年、生き物と人間のかかわりを俯瞰し、一方でディテール細かく、蟻の目で観察できるようになるため、本書は最善の一冊になると思う。
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
科学者の宗教に対する態度は大まかに四つに分けられると思う。一つは無視であり、大多数の科学者がとる態度。もう一つは公然とした反対であり、ドーキンスのような一部の科学者がとる。三つめは厳格な棲み分けの提唱で、これも人気がある。ウィルソンがとるのはそのいずれでもない、協調である。

本書は、「自然保護のために意見の不一致はひとまず置いておいて、未来のために協力できるところからしていきましょう」とキリスト教の聖職者に呼びかける形で書かれている。といってもやはり環境保護の実務を進めるには生物学、特に進化学と生態学の基礎的な知識は必要なわけで、全体としてはフィールドナチュラリストらしいウンチク満載の生態学+進化学概論となっている。これがアメリカで環境保護を進めるための政治戦略として妥当なものかはよくわからないが(結局のところ福音主義的な人々は振り向いてくれないだろう)、日本人としては、自伝風の味付け(60年近い研究者人生の重みを感じる)がなされた上質の”生物学エッセイ”としても楽しめると思う。
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
本日、読み終えました。本書は、「訳者解説」の中で紹介されていますが、「南部バプティストの架空の牧師(パストール)宛ての五部構成の私信の形で書かれ」た、生物多様性の危機を憂い、「いのちある本来の自然」、生物多様性を守るために、科学と宗教の大合流を呼びかける壮大なスケールで書かれた、生物学者、エドワード オズボーン ウイルソン氏の人類に対する「最後の警告書」だと思います。「いのちある本来の自然(Nature)とは、人類によるインパクトを受けて、なお、部分的に残されている原初の環境と生きものたちのことです。生きる自然とは、この地球上にあって、人類を頼ることなく、自らそこに存在しうるもののことです。」しかし、いま、この「地上に創造されたもの(the Creation)いのちある自然が、深刻なトラブル(大絶滅の危機)の中にあり、」「生息地の撹乱や転用をはじめとする人間の破壊的な活動が現在の速度で続けば、今世紀末には、地球上の動植物の半分が絶滅するか、あるいは近未来における絶滅を回避できない運命にさらされる」と科学者の一人として警告しています。わたしも、地球温暖化と生物多様性の危機を招いた人間のひとりとして、日々、悔恨の念とともに、温暖化による気候変動や環境破壊している人類に対して、微生物の逆襲とも言える伝染病の蔓延等に対して危機感を募らせています。しかし、本書の第九章「否定とそのリスク」で、ウイルソン氏がパストールに訴えているように、「わたしが最も恐れるのは、創造された生きた自然(the Creation 被造物)への破壊に、ほとんど何の危機も感じないような、宗教的・世俗的なイデオロギーの結びつきが蔓延していることです。」わたしも、環境保護活動をしている一人として、温暖化防止のためのCO2削減の取り組みや、「生きた自然」の保護活動が遅々として進展していないことに苛立ちを覚えます。また、第十章の「最後のゲーム」で、「人類のハンマーが振り下ろされ、第六の絶滅が始まってしまいました。人類によるこの破壊行為が停止されず継続すれば、回復不可能な激しい消失の過程は、今世紀末には中生代末の大絶滅のレベルに達すると予想されます。」には、大変なショックを受けると同時に、すでに取り返しがつかない所まで来てしまっているということを「事実」として、受け入れざるを得ません。最後に、ウイルソン氏が(P128)言うように、人間が生み出した「科学のすべては、生命圏のすべての所産に比べれば取るに足らない小さなものです。」多くの方たちにぜひ本書を読んでいただき、そのことに気づいていただきたいと思います。そして、人間など多様な生物種のほんの一部にすぎないこと、同時に、唯一ヒトという一種だけが、取り返しのつかない環境破壊しているということに気づき、これから、いかに生きるべきかを真剣に考えるきっかけにしてほしいと思います。もう残された時間はないことを肝に銘じて。
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