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創氏改名―日本の朝鮮支配の中で (岩波新書 新赤版 1118)
 
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創氏改名―日本の朝鮮支配の中で (岩波新書 新赤版 1118) [新書]

水野 直樹
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

一九四〇(昭和一五)年に朝鮮で実施された創氏改名は、単に朝鮮人の名前を日本人風に変えさせたものとして理解されることが多いが、実は複雑で多様な政策であり、同化と差異化という日本の植民地支配の特徴をよく表わすものでもあった。そのねらいは何だったのか。実施過程を検証するとともに、朝鮮社会に何をもたらしたかを考える。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

水野 直樹
1950年生まれ。1981年京都大学大学院文学研究科博士課程学修・退学。現在、京都大学人文科学研究所教授。専攻は朝鮮近代史、東アジア関係史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 246ページ
  • 出版社: 岩波書店; 岩波新書版 (2008/3/19)
  • ISBN-10: 4004311187
  • ISBN-13: 978-4004311188
  • 発売日: 2008/3/19
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
自虐史観? 2010/8/15
形式:新書
 否定的なレビューが多く、自虐史観による一面的な歴史書という印象だったので、買うまでもないと思い、図書館で借りて読んでみました。
 読んでみると、歴史観の違いはそれぞれあるとしても、近年のデータを踏まえた、客観的な記述による水準の高い歴史研究であることがわかりました。
 一般に、教科書では「創氏改名とは、日本式の姓名を名乗らせる皇民化政策」と説明されるが、筆者は、不明確で曖昧であるとして、必ずしも全面的にはそれを肯定していません。
 そもそも、創氏と改名は性格の異なる制度である。改名(ファーストネームの変更)は任意であり、裁判所の許可が必要で、しかも手数料も払わなければならない。実際の改名も10%程度であった。一方、創氏は、姓を氏に変更(これについて詳細な説明がありますが、具体的にどう違うのかよくわかりませんでした)する制度であり、届出は義務である。ただし、届出がない場合でも、一方的に、戸主の姓がそのまま氏とされる。その意味では100%強制的である(そもそも届出を義務とする必要もないと思いますが)。ただ、届出をする場合は、日本式の氏を選択することも許される。その意味では任意であり、朝鮮総督府は強制ではないと説明していた。筆者はそれに対して、公文書や新聞記事などの資料から、日本式の氏への強制があったと主張しています。貴族院でもその点で質疑があったそうです(219ページ)。
 実際に、日本式の氏を選択することを強制されたかどうかを具体的に立証することは困難だが、届出開始の2月は、累積件数わずか0.4%、3月でも1.5%だったのが、7月53.7%、最後の8月で80.3%と急増している(64ページ)ところを見ると、全くの任意であったと見るのは不自然であるように思われます。(もちろん届出のすべてが、日本式の氏を選択したわけではないでしょうが)
 ある地区のデータによると、内地人風の創氏は37%に過ぎず、朝鮮的な氏がかなりあった(152ページ)ことから、「日本式の姓名を名乗らせる皇民化」がどれほどの効果があったのか疑問だと思います。さらに、改名はごくわずかだから、日本式の氏を選択しても、その多くには朝鮮的な名がくっつくことになり、かなり支離滅裂な観があります。また、日本式の氏への誘導が、天皇への忠誠に直結したかどうかは疑問で、いたずらに民族感情を刺激し、治安悪化の懸念を高めただけとするなら、警察当局や内地政治家の強制反対の主張も理解できます。
 筆者が最後に提起している「創氏改名はなんだったのか」という問いかけは、とても意味深いものだと思います。
このレビューは参考になりましたか?
33 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
この本は金英達著の『創氏改名の研究』を根拠として、日本による創氏改名の強制的な点や、
不自由な点を主張しているが、
金英達著の『創氏改名の研究』自体に以下のような読み間違いがあり、
同様な根拠崩壊を起こしている。
----------------引用開始----------------------
「朝鮮総督府法務局の『氏制度の解説』には、次のように解説されている。
「<期間内に氏を届出でなかった場合はどうなるか>
昭和15年8月10日迄に氏の届出を為さなかった場合は、2月11日に於ける戸主の姓がそのまま氏となります。従って従来の金や李をそのまま氏としたい者は届出をしないで放って置けば良い訳です。」

実務上では、「林、柳、南、桂等の姓を有する者が、林(ハヤシ)、柳(ヤナギ)、南(ミナミ)、桂(カツラ)等内地式の読み方を以て氏と為さんとする場合其の届出の要なきところ」という1940年4月22日付の法務局通牒(7)でうかがわれるように、戸主の姓をそのまま氏とする創氏届は必要ないとされており、戸籍窓口の実際においては、そうした創氏届は受理しなかったことが推測される。

ということは、事実上、設定創氏は日本風の氏の設定に限定されていたのである。 」

しかし金英達の引用した史料:朝鮮総督府法務局編纂『昭和十八年新訂 朝鮮戸籍及寄留例規』(朝鮮戸籍協会、一九四三年一二月)四三七〜四三九頁にあたると、以下のように書かれている。
「六.林、柳、南、桂等の姓を有する者が林(ハヤシ)、柳(ヤナギ)、南(ミナミ)、桂(カツラ)等内地人式の読み方を以て氏と為さんとする場合、其の届出の要なきところ強て届出を為す場合は受理するの外なきや。

六.貴見之通 」

---------------引用終了-------------------

つまり、「受理するしかない」と訳すべき所を、金英達は「受理してはいけない」と推測しており、肯定否定を引っ繰り返してしまっているのである。
そもそも、史料に記述されていることを見落としている時点で、読解能力が疑わしい。

一次史料にあたらず間違った解説本を元に論を展開って、論外そのもの。
読者自身が、当時の史料にあたって検証する必要性を理解する本としては適当だろう。
このレビューは参考になりましたか?
45 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
○『創氏改名』水野直樹/岩波新書

 労作。

 西暦千九百四十年から四十五年にかけて、創氏改名がどういう過程を経て朝鮮人の間に広まっていったかを、一次史料によりながら書き出している。
 内鮮一体の立場から創氏改名を推進する朝鮮総督府、治安担当の立場から反対する警察機構や日本政府。更に朝鮮人自身の中にも賛成派、反対派があり、様々な立場と思惑が交錯していたようだ。
 しかし全体として、ちぐはぐな動きを見せながら、それでも法が整備され、最終的には朝鮮半島約四百万戸の八割が創氏を届け出た。それらの様子がよく分かり、面白いと思う。

 ただ、そうした一連の流れを纏めてくれたのは良かったのだが、それらを通じて得たという著者の結論部分には首を傾げざるを得ない。
 具体的には「一部の者は積極的に応じたが、大半は圧力のためにやむなく創氏したのが実情であろう。(P231)」とある箇所だ。
 著者によれば、朝鮮半島の約四百万戸の内、八割に当たる三百二十万戸が創氏の届け出をしたそうである(p64)。
 ではその三百二十万戸の内で、『圧力』により創氏を届け出たのは何割と推定しているのか? 大半と言うからには少なくとも半分以上と考えられるが、ではその根拠は? それが全く提示されていない。

 それが無いのに「大半は圧力のために…」としてしまうのは、研究者としては失格である。普通、学生が論文にこんな事書いたら、まともな教授は合格点をくれない。
 この文章は「今日、東京都町田市では雨が降った。故に、日本全国雨だったであろう」と言うのと同じぐらい、論理の飛躍がある。

 また例えばp62に、創氏に関する朝鮮人の意識調査で、47名というごく少ないサンプルが提示されている。著者による分類では、

 A.「創氏改名するつもり」12名。
 B.「創氏だけするつもり」8名。
 C.「考慮検討中」12名。
 D.「回答出来ない」9名。
 E.「創氏も改名もしない」5名。
 F.「戸主でないので決められないが創氏する」1名。

 となっている。
 この内、創氏するをAとB合わせて約四割(20名/47名)と見なすのは良いとして、何故か「DをEに近いとみなすなら、約三割が創氏改名に消極的な姿勢を示したと考えられる。「考慮検討中」と答えた者の多くも消極的だったと考える事が出来よう。(P62)」となっている。

 みなしちゃ駄目だよ。
 考える事は出来ないよ。
 これでは一体、何のために分類したのか判らなくなる。

 こうした個別事例と全体の傾向の区別を付けられないとか、統計的処理が出来ないのは、我が国の所謂「文系」学者の欠点だと思う。
 あるいは、「この位は当て推量で構わないだろう」と言う、プロ意識の無さと言っても良い。別の言い方をすれば、論理構築の手抜きだ。

 ここはせめて「個人的な感触だが…」程度の但し書きを付けておくべきだった。

 全体として良い感じに進んでいただけに、これは惜しい。
 「蛇足」と言う言葉の見本を見てしまった感じだ。
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