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創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史 (光文社新書)
 
 

創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史 (光文社新書) [新書]

輪島 裕介
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

商品の説明

第33回(2011年) サントリー学芸賞・芸術・文学部門受賞

内容(「BOOK」データベースより)

「演歌は日本の心」と聞いて、疑問に思う人は少ないだろう。落語や歌舞伎同様、近代化以前から受け継がれてきたものと認識されているかもしれない。ところが、それがたかだか四〇年程度の歴史しかない、ごく新しいものだとしたら?本書では、明治の自由民権運動の中で現われ、昭和初期に衰退した「演歌」―当時は「歌による演説」を意味していた―が、一九六〇年代後半に別な文脈で復興し、やがて「真正な日本の文化」とみなされるようになった過程と意味を、膨大な資料と具体例によって論じる。いったい誰が、どういう目的で、「演歌」を創ったのか。

登録情報

  • 新書: 358ページ
  • 出版社: 光文社 (2010/10/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4334035906
  • ISBN-13: 978-4334035907
  • 発売日: 2010/10/15
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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18 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
宇多丸師匠がラジオ(TBSキラキラ)で誉めていたので購入。
先行レビューが★三つなのはあんまりだと思うので少しだけ書く。

まず,最近多いお手軽新書と違って,この本はかなり内容が濃い。若手の研究者が数年来の研究成果を詰め込んだ渾身の一冊だからだ。お気楽には読めない。読み通すのにはそれなりに時間が掛かる。ただし,それだけの価値はあるし,知的満足度は非常に高かった。昭和以降に発達した国内レコード歌謡通史を概観できるというだけでも,新書にするのは勿体ない,新書で出してくれてありがとうと言いたいくらいの労作だと思う。

もちろん,本書の核心は現在で言う「演歌」というジャンルがいかに作られたかという謎解きの部分。

宇多丸師匠も言っていたが「演歌」というジャンル分けの不自然さに,うまく言えないけど,なんか変じゃない?という漠然とした違和感を感じていた人は多いと思う。吉田拓郎や大滝詠一の作曲でも森進一が歌えば演歌なのかとか

そういう疑問を抱いている人は読むと良いと思う。すとんと腑に落ちる,知的快感が得られるから。

ニューミュージックと同じくらいの時期に,竹中労,五木寛之といった当時のカウンターカルチャーの担い手が大きく関わって作られた「新ジャンル」だったなんて…。そんなどんでん返しアリですか,と。さらにこの先に,えええええ,そうだったんだと驚く事実が次々と開陳される。

ちょっと苦言を言うと,もうちょっと編集の人が頑張れば良かったのになと思う。例えばタイトル一つとっても,もう少し頑張れば,もっと多くの人に届きそう。

それでも読み通す価値はある。読み終わったあと,宇多田ママこと藤圭子の当時の映像をYouTubeで見まくってしまいました。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By birdsong トップ500レビュアー
学振の研究員だった30代の若い著者による大変優れた歌謡史概説です。今でいう「演歌」の成立を作り手の側の要因から検討しています。厳密性という点では、もっと網羅的・定量的な分析も可能かと思いますが、新書の範囲ではこれが限界でしょう。大衆向けの歌謡曲に対する論壇(というものが昔はありました)の扱いが興味深く、象徴的には五木寛之による概念化と藤圭子による実装によって今の「演歌」が生まれたという分析が圧巻です。

著者はレコード以前の音楽の需要状況を想像しにくいと書いています。実際、レコード以前でも、作品は楽譜の形で印刷され広がりました(楽器編成についても、例えば管弦楽曲をピアノで弾くための楽譜もありました)。例えば、クラシック音楽や純邦楽を考えると分かりやすいかと思います。演奏者は、様々な作品をその時々に自分なりに表現し、結果として重層的な演奏と受容が行われました。藤山一郎や淡谷のり子といった往年の大歌手の背景には、そういった再現芸術家としての教育と訓練があったのでしょう。「うたごえ」もそうだったのかな。

余談ですが、文中紹介されている青江三奈のジャズなど、聞いて損はない内容ですよ。ちょっとハイブロウな名盤案内にもなっています。
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17 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
「演歌が日本の心」だというのはとんでもない嘘だーーという説を昔から述べているのは、
昭和7年(1932年)生まれの小説家、小林 信彦氏である。
小林さんは創世記のテレビショウの作家としても参画しているので,このあたりには詳しいはずである。
その小林さんは「演歌が日本の心」だとは一度も感じたことがないという。

その秘密をこの本が解き明かしてくれるのではないかと思い買って読んでみた。
著者は昭和49年(1974年)生まれである。
で,著者は「演歌が日本の心」かどうかに答えを出すのは難しいと結んでいるが、
それは謙遜で,この調査からははっきりと「演歌が日本の心」出ないことが分かったと私は思う。
演歌は,たしかにある趣味嗜好をもった人に跳兎を母集団とする,これは年齢も性別もバラバラなので判別しづらいが、
人々の心ではあるが、日本人という巨大な母集団でくくるわけには絶対に行かないようだ。
すなわち「日本人なら誰しも演歌的な心情を胸の奥底に持っているものである」というような文章を見つけたら、
「うそつき」と呼んでもいいのである。
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