写真家前田真三の写真集で32ページにわたり、前田の記念館がある北海道の旭川市に近い美瑛町の写真を中心に前田の略歴、逸話、前田のこれまで出版された写真集の紹介などを収録しています。掲載されている写真は前田自らによる撮影条件などの解説が書かれており、“前田調“の写真を撮りたいという人には参考になると思われます。前田の写真には風景との一瞬の出会いを切り取ったようなものが多く、その中には、この写真集の表紙にもあるような赤く燃えるような麦畑などのような、太陽の光と風景が織り成す奇跡的で絵のような写真がみられます(加工された写真ではありません)。副題の”新たなる風景美の発見“にもあるように、前田は有名な景勝地などの写真は、あまり撮らず、それまで無名であった美瑛町のヨーロッパの田園風景のような美しさを”発見”して、当地に在住して写真を撮り続け、前田の写真を常設するギャラリー、拓真館を開設します。注意しないと見過ごしてしまうような、なにげない風景の中に美しさを発見する前田の姿勢は、この写真集を見ると大いに学ばされるところです。写真ファンならずとも、前田のように、一瞬の美しさを(自分だけの)風景の中に見出し、撮影したいというモチベーションを起こさせるものと思われます。この写真集を気に入られた方は、実際に写真集の舞台である美瑛町を訪れて、拓真館のまわりの美しい風景と出会われることをお勧めします。以下は前田の言葉から“私は風景写真においては、出会ったその瞬間を大切にして、逃がさずカメラに収めなければ、二度とチャンスは回ってこないと考えています。”