SSA最終日に前田敦子の衝撃的なAKB48卒業が本人より発表された。自身が総選挙で奪取したセンター曲でレコ大を獲り、東京ドームも決まった絶頂期の今、敢えての卒業という選択は恐らく並々ならぬ決意だっただろうと思う
よく喧伝されている「センターの重圧」というのは彼女の内向的な性格を照らし合わせると時に呪詛のように心を縛っていたのではないだろうか。恐らく想像を超える重荷であったのだろう
同時にもはや巨大な組織になり一枚岩でなくなってきた48グループに対して、頂点に君臨する彼女が自身の今後の成長のため、48グループの次世代を担う子たちの更なる躍進のために一石を投じた結果だとも捉えている。賛否はあるだろうが、去り際としてはベストのタイミングだと思う
そんな彼女の重責や苦悩が嘘のようにこの写真集では軽やかさや自然体の穏やかな表情が目立つ
青年向け雑誌の触れ込みでセクシーさばかりがやや先行した感もあったが、彼女が「AKB48の前田敦子」であることを忘れ、心底パリの空気、風土、文化を楽しんでいる様子が伝わってくる。芸術の都・パリという情緒溢れるロケーションも本作の視覚的効果を上げるのに一役買っていて、全編淡く優しい色彩に彩られている
ペコちゃん的ないたずら心が溢れた表紙には思わず口元が綻んだ。こういった何気ない素の表情のチャーミングさは本当に彼女ならではだなと思う
今後「AKB48」の名を冠した作品でもう二度とこの表情が見られないのは些か残念だが、いうなれば序章が終わったばかり。「GIVE ME FIVE!」の歌詞にあるように「卒業とは出口じゃなく入り口」で、前田敦子の第二章はまだこれからなのだ。今は座してただ成り行きを待つ、というのが一ファンとして正しい姿勢のように感じている
六年半という長きに渡りAKB48の顔だった彼女は、不遇時代の辛酸や挫折、売れてからの批判など良くも悪くも文字通り矢面に立ってきた。しかし、努力を徒花と散らさずAKB48を大輪の花に仕上げた彼女の功績は大きいと思う。多忙を極めた彼女の束の間の休息を取り敢えず「お疲れさま、あっちゃん」と結びたい