表紙に大きく「放射能、ホントにホントはどんだけ怖い?」と書かれています。
私たちが真に知りたいことは「結果としてどうなるのか?」でしょうけど、その答えは残念ながら「現時点では不明」です。
従来は十分に疫学・公衆衛生的な調査がなされていなかったし、これから膨大な人数を相手に詳細に長期間追跡調査しても、その結果は「統計的にどう違いが出たか?」ということまでしか言えません。
外部照射と体内被曝(高線量地域で地産地消生活を続けなければかなり避けられると思いますが)との違いはもちろんありますが、いつもより多い低線量を長時間曝露された場合の長期的な影響は特に100mSV/年以下の場合は未だ不明です。ちなみに世界には100mSV/年レベルの自然放射線の高い地域もあります。
仮に「有意に」危険が増大したからといって生活や仕事、社会的信用全てを投げ打って遠方や海外へ移住するか、というのは結局現状と新生活とのコストやリスクを秤にかけて各個人が最終的に判断することになります。
私たちは他の様々な「有毒」とされる物質(逆に全く無毒な物質もありません)や病気や事故の危険に日々晒されています。それらを含めて考えると、安心や保証は科学や統計だけでは得られないものです。
今回の記事も「従来の○○の基準より大きく緩めたのがけしからん」という政府の対応を批判するに留まっており、「厳格に守らされていた丸刈りだった校則を特に理由無く廃止したのがけしからん」、というレベルになりかねない印象です。
従来の基準の意味というのは、人への健康を「保証」するための厳格さだけでなく、放射線を使った検査や測定への影響、核兵器などへの悪用の危険の抑止、悪印象が強い中で人々に受け入れさせるために厳格な管理を約束し納得させるため、という要素も含まれていると思うのですが。