とある中学校の文化祭にまつわる物語。ストーリーの序盤は思春期の少年少女に特有の
「イジメたりイジメられたり」「好かれたり嫌われたり」「友達が出来たり孤立したり」
の人間関係がリリカルに描写され、
「この作品はストレートな青春モノかな?」などと思わされたりしますが、
文化祭の中で行われる奇祭【泥祭り】がフィーチャーされ始めると、小田作品に頻繁に見られる
“日常のすぐ隣にあるサスペンス” “壁一枚隔てたすぐ近くにあるシュール”
の真骨頂の様な展開となります。
5年前の在校生の少女・チカの謎めいた死を巡って、女教師や用務員の過去/トラウマなどが語られ
絡みあっていく様子はなかなかシリアスで、上質な人間ドラマの様相。
それでいて、文化祭前夜に訪れた「一陣の疾風の様な出来事」をオリジナリティー溢れる
表現と演出で「軽やかなエンタテインメント」として読ませる手腕、さすがです!
本編以外に1ページから10ページのボリュームの短編が9本収録されており、こちらも
山の中の雀荘や都市伝説になりたい男たちや警官もどきや温泉もどきやナメクジの医者など…
自由過ぎるキャラ/シチュエーションで楽しませてくれます。
かなりお得感の有る一冊ですよ!