本書には、樋口がライバル会社の会長にアドバイスをもらいにいった話や、食品業界ではタブーとされていた「味を変える」冒険に挑戦した話、多額のコストをかけて古いビールを回収した話、工場の利益管理制度を廃止し、「工場は商品づくりに徹しろ」「会社のマネジメントは経営者に、利益責任は社長に任せてくれればいい」と責任の所在を明確にした話など、さまざまなエピソードが登場する。まさに「前例がない」取り組みの数々に、良い刺激を受けるだろう。
また、若手社員から持ち込まれた「スーパードライ」のアイデアを2度にわたり否定した話を持ち出して、「私は若い芽を摘もうとしたことがありました」と全社員に向けて謝ったエピソードからは、樋口の経営者としての懐の深さが感じられる。経営者としての責任を強く自覚し、人を導くことの重要性を心得ていた樋口ならでは心構えが、この1冊にぎっしりと詰まっている。経営者はもちろん、若手社員にもぜひ一読をおすすめしたい。(土井英司) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
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それこそがアサヒビールをトップシェアの会社に導いたわけです。(戦術としては、「選択と集中」がメインだったわけですが)
本書は経営者のみならず、中堅以上の幹部社員へ向けたメッセージが多数記載されています。
その中でも印象に残ったのが、「先輩社員に感謝する」というもので、著者は100周年の記念式典の前に、先輩社員を祀る慰霊碑を建立します。「先人を大切にする会社は栄える」ということがその理由ですが、ビックリしたのはアサヒビールだけではなく、キリンも日本生命も、松下電器も、と多くの大企業がそれを当たり前の事として行っていた、という点です。
心が無ければ、ビジネスも大成しない、という一見当たり前のことも、このような事例を見るまでは理解していたとは言えず、大いに感じ入りました。
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