以前に『デジデリオラビリンス』を読みましたが、だから、本当は2度目のはずが、またまた話の中に引き込まれて実は帰りに電車をのりすごしてしまいました。自分の前世についてひょんなことからイタリアのルネッサンス期の芸術家であることを知ることとなった著者が、あくまでも前世など信用できないと思いながらもイタリアに渡り調査していく様子はスリルに満ちています。前作出筆後のエピソードも増えてかなり加筆なさったのだろうと思います。ダビンチコードぐらい、というか、それ以上に面白いと思います。知名度の高い出版社で宣伝されれば、ベストセラー間違いなしだと思うのですがその点がちょっと残念です。『日日是好日』『いとしい食べ物』などの森下さんの他の著書に比べるとまったく異なった文章表現で実話であるにもかかわらずSFファンタジーの世界に引き込まれていくようです。ロードオブザリングも面白い話だと思ってから映画化されるまで20年はかかったと思うので先は長いかもしれませんが、このお話は映画になったらイタリアのルネッサンスの美術と時代的背景とで画像も美しいし、現実に生活している女性と非現実的な前世への想像、それと美術史を訂正しなくてはならないかもしれないような森下さんと西山さんの調査結果とどう作っても面白いと思います。誰かこの作品を映画化してくれないかな。