この本は、自衛隊、消防隊、国土交通省、警視庁機動隊、そして官僚。どんなに活躍しても、それが当たり前と思われてしまうプロフェッショナルが、どんな想いで、その時、自分の持ち場を支えたか。本来、自衛隊、警察、消防、そして外務省は命を投げ出して仕事をすることを期待される職種。それを見事に、彼らの視点で伝えてくれました。(残念ながら外務省の活躍はありませんでしたが)。
その中で、イスから転げ落ちそうになったのが、自衛隊が、放水を依頼されて、東京電力に、位置の確認を再三しているにも関わらず答えがなかった。そして、問題が無いという指示により、放水すべく三号機に位置し、まさに開始せんとする時ににそれが爆発し、瓦礫によりケガを追う。そんないきさつの後、さらに、放水せんとする、その時、次のくだりだ。
”中特防幹部が「放射線の高い三号機での放水は、我々にとって、決死隊そのものです。よって燃料プールの正確な位置が知りたい」と詰め寄ると、東京電力社員は、軽く言ってのけた。「なら、代わりに××工業に、放水、やらせますかあ?」中特防のある幹部は、今でもこう語る。そのときの言葉、一生、忘れないー。
自衛隊を完璧に業者扱いした東電社員。
何の情報も渡されず(1枚の不鮮明な写真以外)、全て手探りで多くの国民を助けようと決死の覚悟で、仕事をするプロフェッショナル。もう少し、風通しの良いコミュニケーションラインがあれば、不必要な消耗も少なかったのではないか。
国土交通省が、道を開いた。これにより関東、関西からも現地に救助活動ができたのだが、その平時のBCM(Business Continutie Management)に則り率先して協力した建設事業者の心意気が、多くの命を救った。また、”国土交通大臣、大畠の「予算のことは考えなくていい!国土交通省の枠にもとらわれるな!国の代表として、迷わずやれ!」という素早い判断のもと、東北地方整備局、徳山は、職員を市町村長に派遣し、”道路や河川関係にとらわれず、日用品や資機材など幅広くリエゾンにお申し付けくだい” そして自分は「ヤミ屋のオヤジ」と思ってくださいと市町村長に連絡した。これにより、地方の役人には無い、専門用語、法律に詳しい国土交通省の役人が、中央官庁と交渉、その市町村役員へのサポートのお陰で、”消極敵な権限争い”による冷たいあしらいから免れた。
今後を考えると課題も多いと思うが、日本はまだまだ、大丈夫だ。そんなことを感じさせてくれる、熱い公務員の話だ。