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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
バストロンボーン,
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レビュー対象商品: 前に進む力 (単行本)
“Step out of your confort zone”を、「前に進む力」とすっきり訳したこの本。さすがにミュージシャンの本らしい、瑞々しい感性が溢れている。 表題の響きがいいな、と思いながら読み進むと、だんだん自分の中からその響きが聴こえてくるような気がする。 Jazz好きには、“サドメル”の後継バンドである、ヴァンガード・ジャズ・オーケストラ(VJO)のリーダーの本、というだけで興味をそそられるだろう。 黒人に実質的な公民権が認められたばかり、1960年代半ばの人種差別の激しい時代。サド・ジョーンズは黒人、メル・ルイスは白人という双頭リーダーで、メンバーも様々な人種混合のビッグバンドという奇蹟が存在していた。。。 こんな時代に、あり得ないダイバーシティと、その優れた音楽もまた奇蹟のようなビッグバンドだったが、そのバンドとダグラス氏との出会いのシーンには思わず興奮する。 40数年を経た今もその伝統は変わっていない。引き継がれるその伝統を、ダグラス氏は“遺産”と呼ぶ。ヴァンガード(先駆者)のプライドを底に湛えながら、その優れた音楽的価値をさら進化させつつ今に至っているのだ。 現代においてビッグバンドジャズは、音楽ビジネス的には地味な領域だろう。しかし、VJOは常にグラミー賞や海外のアワードに名を連ね、2009年のグラミーを受賞している。このような営々と築かれて来た価値を認識し、高く評価する“グラミー賞と言う仕組み”には、やはり侮りがたい世界があることを思う。 第4章の、「組織のボスは誰か」という見出しが目を引く。答えは「組織には『使命』があり、それ自体がボスだ」と。 このバンドが長く続いてきた、あるいは続けてきた秘密がここにある。 金銭や地位や名誉のためにやってきたのではない。 そうした「外面的価値」を超えた価値を、優れた音楽とそれを継承する「志」の中にこそ見出してきたのだ。 ダグラス氏は、パーカーでもマイルスでもなく、コルトレーンでもない。 いわゆる“Jazzジャイアント”ではない。この本のトーンは、「天才の中の天才」である彼らの印象とは明らかに違う。 しかし、ダグラス氏の飾り気がないシンプルな言葉からは、じわりと生きる勇気と知恵が迫ってくるのだ。 彼の言葉は深く豊かな泉を思わせる。そこには、過酷な経験を経て磨かれた愛情あふれる眼差しがある。 そして気がついた。 「そうか!これは“バストロンボーン”なんだ」と。。。 一発でドラスティックに局面を変えるリズムセクションでもなく、大向こうを唸らせるようなホーンセクションのソロイストでもない。バストロというコンセプトは、目立たないけれど音楽の基底部を支え、豊かな音楽的厚みを確保するために存在する。自分をあまり主張することなく、全体のためになくてはならない重要な存在なのである。 そのコンセプトは人生にも通じるのではないだろうか。キャリアにもまた。。。 このダグラス氏の本は若い人たちにはもちろん読んでほしいが、シニアと言われる層にもぜひとも読んでほしい。 人生をさらに深く見つめ、豊かなものにするために。
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
1度のみならず2,3度読みたくなる本,
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レビュー対象商品: 前に進む力 (単行本)
私は現在ビッグバンドジャズをやっており、リーダーという立場でもあるので境遇が似ているこの本から学べることは多かった。また、普段あまり本は読まないのだが、そんな自分でもあっという間に読み終えてしまった。それは「こうしよう」と書かれている内容が、頑張れば自分にも出来そうな現実味のあるものばかりだったからではないだろうか。また、中でも驚いたのは「本来プロであればアドリブで吹くソロをダーヴィンさんは前もって考え、それをひたすら極めて名高いプロがいる中でも恥じずに同じソロを吹き、その結果本番は大成功した」というものだ。同じソロを何回も吹くというのは特に音楽レベルの高い人の前で吹くほど恥ずかしいことだ。それは私もよく思う。しかしあのダーヴィンさんにもこんな時代があったんだと思うと親近感が沸き、この本に書かれている彼の助言も素直に受け止められる。また、「何事も恐れずにチャレンジしたい!」と思っている私にとってこの本は背中を押してくれた。そして、そのために今までしてきた決断も間違いではなかったと実感させてくれた。この本は他者のレビューでもあるが、読んだ後穏やかな気持ちになれて、自発的に前向きにチャレンジしようと思わせてくれる本である。
11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
穏やかな気持ちで前に向ける。,
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レビュー対象商品: 前に進む力 (単行本)
成功するためには強く想うことだと多くの啓発本に書かれるように、ハードルを超えるためには強い精神力や行動力が必要だと私たちは思い込んでいます。この本では、ダグラス・パーヴァイアンス氏の生き方が、決してその継続による成果ではないことを教えてくれます。 「完璧じゃなくてもいいから、前進しよう」「人生は設計できないから面白い」など、私たちの日常とごく近い世界でのできごとが、ことばのエッセンスとしてあふれています。著者の跡部徹氏はエッセンスの抽出に注力し、決してすべてをまとめず、話者のダグラス氏の生き方を平易に伝えることに努めている点も、とても評価できます。ガツガツしなくとも、人生にはいろんなチャンスにあふれ、穏やかに前に進むことでいろんなめぐりあわせが自分をつくる。そんな受け止め方ができる良書です。
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