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人にはちょっと言えない倒錯的趣味を愉しむことと倫理的なブレーキとの葛藤の分水嶺に挑戦していくところが谷崎の文学の醍醐味だと思いますが、それは処女作「刺青」からいかんなく発揮されています。妖しい倒錯の世界のその向こうにある人間の底深い暗さを、耽美的な文体でえぐる谷崎の筆致には背筋を凍らせるような鋭さがあります。
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