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23 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
濃密でときに淫靡で、かつ静謐をたたえた世界,
By 唐沢 大 (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 刺青・秘密 (新潮文庫) (文庫)
初期の短編集。谷崎ワールドを堪能するには、20、30ページの短編ではちょっと短すぎるのだけど、「刺青」「秘密」「少年」の三作は傑作。淫テリで小説が好きな人なら好きになるはずです。 どれも、倒錯した性愛(サディズムとかフェチズムとか窃視とか)がモチーフになっているようなんだけど、なんだかこれは性の話なのか何の話なのか、読んでいるうちによく分からなくなってくる。登場人物の何人かは、憑かれたように何かに偏執している。足とか背中とか、目隠しプレイとか。まっとうな基準で言ったら、パラノイアになるのだろうけど、読んでいるとなんだか彼らがまともに見えてくる。これほどまでに何かに固執できるっていうのは、変態的でもあるけれども、全ての物事に飽いている現代人にとっては羨ましいことでもあるのだ。 多分、こういう世界に暴力を加えると花村萬月になる。本作品集の谷崎の世界は濃密でときに淫靡であるが、暴力がほとんど登場しない分、不思議な静謐さをたたえ、なぜか品がある。
15 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
耽美的な文体で描く倒錯の世界,
By bluepasta (Brooklyn, NY USA) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 刺青・秘密 (新潮文庫) (文庫)
処女作で、刺青師の妖しい脅迫観念を描いた「刺青」、金持ちだが気弱な同級生の少年とその姉との交流を深めていくうちに性的倒錯の世界に入っていく「少年」、弄ばれることに自身の存在意義を見出す道化ものを描いた「幇間」、住んでいる場所を明かさない昔の女と逢引を重ねる「秘密」、谷崎の自伝的小説「異端者の悲しみ」など、初期短篇7篇を収録。人にはちょっと言えない倒錯的趣味を愉しむことと倫理的なブレーキとの葛藤の分水嶺に挑戦していくところが谷崎の文学の醍醐味だと思いますが、それは処女作「刺青」からいかんなく発揮されています。妖しい倒錯の世界のその向こうにある人間の底深い暗さを、耽美的な文体でえぐる谷崎の筆致には背筋を凍らせるような鋭さがあります。
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
刺青について,
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レビュー対象商品: 刺青・秘密 (新潮文庫) (文庫)
女性に奉仕する男性の喜びをテーマとして、谷崎文学のその後の方向を決定づけた作品です。刺青師・清吉の念願は、美しい女の肌に自分の魂を掘り込むことでした。 憧れの美女を言葉巧みに誘い、ついに背中に見事な女郎蜘蛛を彫ります。 刺青が完成したあと、針の痛みに耐え続けた女の背中で、妖艶な輝きを放します。 やや、お話が一方的に進みますが短編なので仕方ないかと・・・ 被害者の女ですが、彫られてまんざらでもない様子でした。女の台詞がなんともドSです・・・ 蜘蛛。きっと女は男を喰らう蜘蛛なのでしょう・・・
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