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なんで中学生にもわかるのか。それは、ダーウィニズムの不明確なところを、利己的遺伝子というただ一つのアイデアだけで、きっちり明解にしてくれるからだ。
考えてみてほしい。ダーウィニズムでいう淘汰の単位は、一体なんなんだろうか? 働きバチのカミカゼアタックは利他的だけど、同じ種や同じ群のなかで殺し合うこともある。どこに利他・利己の区切り線を引けばいいんだろう?
ドーキンスはこの混乱をあっさり解決する。区切りなんてものはない。淘汰の単位は、生命体を作り上げる基本的な単位である遺伝子であって、遺伝子はすべて利己的に振る舞うというのだ。一見利他的に見える行動は、そうすることでより多くのコピーを残そうとする遺伝子の利己的なふるまいで説明できる。ダーウィニズムをつきつめたこの理論は、実にわかりやすく納得しやすい。
ただしこの本、あまりに誤読が多いので注意。「人間が道徳的にはいかにふるまうべきかを述べようというのではない」と著者がわざわざ冒頭でことわっているというのに、そうしようという人がいるのだ。増える性質を持つものが増えるってだけのことに、意識を持つわれわれが、それに沿った決断を下すべきって意味は含まれちゃいないのに。
ナチスの御用科学者が優生学を悪用したのと同じ論理で、この本の理論を振りかざす小賢い連中に引っ掛けられないためにも、一度きっちり読むべき名著。ちなみに「ミーム」というアイデアが披露されたのも本。
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