第1章をみっちりやりましたので、第1章中心にレビューします。18のセクションから成ります。§4.の『素数』で素数特有の2つの定理について解説してあります。演習14題を勉強するともう素数の宇宙を漂っていました。ここで改めて(定理)『素数の数は無限である。』とその証明で宇宙の果てに追いやられます。附記の『素数の分布』では『Dirichletの(算術級数の)定理』から全数学的思考能力を導入しても『Tschebyschefの定理』でブラックホールへ吸い込まれそうになります。『合同式』、『Eulerの函数』の中でメビウスの函数導入を経た後、整数論の基本である『Fermatの定理』にさしかかります。§12『平方剰余の定理 Legendreの記号』でようやく本章の前座に達し、 (定理)『Eulerの基準』の証明で『Fermatの定理』に帰着する事を確認します。この直後の附記では平方剰余の応用例として『整数を平方数の和に分解すること』が詳解され、Gauss(k=3)、Lagrange(平方)、そしてあのCauchy先生が"すべての正の整数をk個以下のk画数の和として表し得る"と云う一般形について証明をされたのでした。そしてメインイベント§13『平方剰余の相互法則』にたどり着くと直ぐ、古典的整数論の3つの法則が提示され、各々の意味が丁寧に解説されています。『Gaussの予備定理』では座標が導入され、格子点の問題に置き換えて解説されています。§14.『Jacobiの記号』では合同式の解の有無について論じられています。§17『1のp乗根,特に17乗根』ではやや骨太の計算を終えたところで 正17角形による幾何学的証明を与えています。§18.『任意の方に関する指数, 指標』指標(Character)の意味が説明が紹介されていおり、後続の章へ続くものと思われます。
このように第一章を勉強するだけでも宝石のようにちりばめられた整数論の宇宙を漂い、迷い、そして軟着陸して新たな根っこを掘り出す数学的な思考力養成ができるのです。ご専攻の方は全部読めば良いと思いますが、教養、趣味で数学をやる人には第1,2,5章をサクサクッと(これが難しいのですが)やれば良いでしょう。全体的に計算力と数学的思考力養成にはおおいに寄与する文献で、内容が素晴らしい解説に満ちているからどんどん整数論の宇宙は膨張していくのでしょう。本書も古典ではなく、普遍的な書として獅子奮迅の数学生達にこれからも読まれていく事と思います。