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初恋 (単行本)

中原 みすず (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

宮崎あおい 主演決定!
小説「初恋」待望の映画化!
........
1968年12月10日。
東京・府中。
雷雨の朝、白いオートバイ。
18歳の少女。

あの「三億円事件」の秘密の扉が、今静かに開かれる。



内容(「BOOK」データベースより)

雷雨の朝、白いオートバイ、18歳の少女―「三億円事件」の秘密の扉がいま静かに開かれる。

登録情報

  • 単行本: 171ページ
  • 出版社: リトルモア (2002/2/15)
  • ISBN-10: 4898150640
  • ISBN-13: 978-4898150641
  • 発売日: 2002/2/15
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (17件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 初恋だからこそのリアル, 2005/6/21
“私は「府中三億円強奪事件」の実行犯だと思う・・・”
というギョッとする帯の見だし。それに相反するようなタイトルと淡く柔らかい表紙はなんだろう、と気軽に手にしたらつい読み深けっていた。過去に出版した手記に加筆・修正した再発本らしいのだが、手記というよりも私小説のような文章の美しさ。

1968年、学生運動も過激に盛り上がる時代。新宿のジャズ喫茶では、けだるく夢みる若者達。三億円事件は中上健次の周りで起きたと噂があったらしいが、健次の長女・中上紀も帯にコメントを寄稿しており、まことしやかなことかもしれない。
淡々と書くことで、幼少期から寂しさを耐えて過ごし思春期となった女子高生みすずの、ゆらゆらと蒼く静かに燃える心情が際立つ。時折出てくる短歌が染みる。
多感な時期の、恋に直情的な感覚を憶えている人は共感できるであろう。
とても切なく心に響いてきました。
無粋ですが動機に繋がる滑らかさから、中原みすずは実行犯だったと思いました。思っていたい。時効になったのも理解できる。幾つの時にこれを振り返り、書いたのだろう。瑞々しい感性と、誠実な文章に触れられて私は幸せです。

読み終えて改めて表紙の抽象画を眺めた。繊細さと複雑さと情熱を見事に描かれていた。
装画を担当したのが浅野忠信と知り意外だったが、その感受性は俳優として才能を発揮しているだけでなく画家としてもイケてます。
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42 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 初恋が生んだ三億円事件, 2006/2/19
キッズレビュー
私は「読書家」ではありませんが、読まないこともありません。
いつも鞄の中には何か一冊入れています。
決して難しくなく、興味がある分野ばかり読むので、偏りがち!といえば“偏りがち”ではあるんですが・・・。
でも、自分の好きな世界を持つ本に出逢えると、それだけで嬉しいものです。
そんな中で、中原みすずの『初恋』も特別な一冊になりました。
これは、初版で買ったので、読んでから3年半くらい経つかなぁ?
帯にはこんな風に書かれていました。
『三億円事件の秘密の扉がいま静かに開かれる』
そうです!この小説は、あの「府中三億円事件」がモチーフになっているのですね。私が生まれる前のことだから、30年以上も前の話。
それも、人ひとり傷つけず、わずか数分の間に、何者かによって、強盗される・・・。
結局、犯人は捕まらず、時効をむかえたわけだけど、「初恋」を読むと、本当にこの主人公(女子高生)が実行犯なのか?・と、思ってしまうほど入り込んでしまう、切ないストーリーなのであります。ジャズが聴こえてくるような、時代背景も素晴らしい。

いつの間にか、主人公になりきって読んでるんですよね。

でも決して、手記という感じではなく、静か〜な時間が流れる“私小説”のような美しい文章なんです。
なのに、実話のよう・・・。だってタイトルに「初恋」なんてつけて決して府中三億円をウリにしてないでしょ!
それも凄いことなんですよね。ホントの話だからじゃないのかなあ。
読んでから、随分時間が経ちますが、私の中では、とても心に残る一冊になりました。

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25 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 “三億円事件の秘密の扉がいま静かに開かれる”, 2006/5/26
 ショッキングなコピーのつけられた“手記”です。
 この本は、自分が三億円事件の犯人であったと思う…という書き出しから始まる、中原みすずの物語です。
 私は事件について知識があるわけではなく、日本史中の大事件の一つとして名前を知っている程度ですが、個人的には、こんな真実があってもいいんじゃないか、と思っているのですが…。事実がどうあれ、とても印象的な、私の大事の一冊です。

 私は、この本はみすずと岸、二人の「勝負」の本だと思っています。

 事件を成功させるみすず。
 友人を喪失したことへの自責の念からみすずに近づいたにも関わらず、事件後に一度も一銭も要求しなかったみすずに「完敗」して恋をする岸。彼は手紙で気持ちを彼女に伝えながらも、決してみすずの元へ戻ることはない…。
 自分を曲げずに大学生活を送りながら、帰らない岸を一人で待ち続けるみすず。
 誠実で不器用な生き方をする二人は、多分ずっと自分と、何かとたたかって生きてきた人たちで、その二人の道が一瞬交差して、この物語が生まれたのだと思います。

 よくあるベタベタした恋愛小説では全くないですが、無口で多くを語らない二人の、静謐な、秘められた激情が伝わってきます。
 二人とも傷つけあって、ですが、多分それと同じくらい、二人は互いの存在によって救われた、のだと思いたい。

 ちょうど映画公開中のようですが、原作ファンの私としては、この物語に漂う独特の寂寥感と純粋な空気が壊れないような作品だといいなーと思ってます。
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