前作「蒼空時雨」で作者の文体に惹かれ、二冊目は迷わず購入しました。
相変わらず素敵なジャケットも手伝って、お気に入りの一冊となっています。
内容は、切ない恋愛モノです。
この歳になって、このような物語でぼろぼろと涙を流す事になるとは思いもしませんでした。
それはおそらく登場人物の、もっと言えば作者の想いが、自分と重なるからなのだと思います。
個人的に共感できる部分が多々ありました。
また文体は非常に丁寧で、しかし所々、はっとさせられる箇所が沢山あります。
それは詩の様な美しさがあり、かつ、それを鼻にかけてない感じが、とても好印象でした。
特に207ページの最後の言葉には、衝撃を受けました。
恋愛小説という内容上、ネタバレを警戒すると多くの事がお話できない訳ですが、
前作を読んで「面白かったな」と思ったならば、近作もそれは間違いないでしょう。
読み終えた今、とても純粋な気持ちでいられる事を幸せに感じます。
現在の恋愛邦画事情を考えると、映画化すればヒット間違いなしと言ってもよいかもしれません。
装丁自体も美しいものとなっていますので、是非書店にて手に取っていただきたいと
思います。