「Heart of Sword〜夜明け前」にて自分の中で産声を上げた西川貴教。
これまでは、なんとなくJ-POP界に染まり過ぎ、何となく"当たり前"の
存在となってしまっていたが、ここへ来てあの頃の熱が復活してきた
ような気もする。結構a.b.sはTMRより普通に好きだったりする。
正統派の本筋とは一風変わったその軽みに当時の若々しさを感じる。
本作はそんなabsが本気を見せたかと思うような凄まじい気骨に満ちた
尋常でない気力と迫力を感じる。それでも、どこかラフに不埒に
微熱に浮かされ誘うようなフリが妙に男の色気を感じさせる。
しかしそれは断じて微熱などではなかった。どこか狂っている。
そんな狂気にも似た熱血漢ぶり、最早素知らぬ振りなぞできないだろう。
日本男児たるもの、そんな台詞の別の意味での一刀両断感が物凄い。
そういえば前述のTMR初期の代表曲も漏れなくそんなJAPそのものの
貴い剣の心を歌っていたが、本作はまさに戦国武将のそれだ。
なのに老若男女入り乱れ、万人を分け隔てなく惹き付ける術を持つ。
そんな目の醒めるような問答無用の熱い気迫は本物だ。
『キミノウタ』収録の英語版の方は歌詞の勢いが
洗練された分、独特のキレがあり、こちらもオススメ。
まさしく兄貴と呼びたい(同年代なのに)西川氏の素晴らしい
ビブラートプレイに骨抜きにされ、日漢の魂とはなんぞやと教えられる。