著者は東日本大震災によって、西日本大震災、首都直下型地震、更には富士山噴火が誘発的に発生する可能性が“歴史的に見て”、高まっていることを述べている。この歴史的事実を突きつけられただけで、目眩を起こしてしまいそうだ。しかしながら、我々は予期される「悪夢」を「覚悟」する必要があり、その上で悪夢に対する備えを急がなければならない。筆者は、この備えを「強靭化」と呼び、東日本復興と同時に「列島強靭化」を推進していく必要があると述べる。この「強靭化」を達成するためには、流通・通信・交通・エネルギー供給網の冗長性(インフラの複線化)を確保する必要がある。冗長性は平時においては、一見無駄で「効率化」の名の下に「仕分け」されてしまう恐れがあるものの、有事をみすえたジャスト・イン・ケースの備えをしておくことで、被害に対して「迅速」に「回復」できる「しなやかさ」を獲得できるのである。
3月11日に東日本大震災が起こるまで、我々の多くは「そんなことないだろう」と、半ば絵空事のように楽観視していたのではないだろうか。しかし、実際に起こってしまった。もはや、巨大災害は単なる絵空事ではなく、眼前に迫る「危機」である。我々は、来るべき様々な危機を「覚悟」し、一見無駄な「面倒くさい」選択をする以外に道はないのである。筆者は我々、日本人の進むべき道を示している。求められているのは、我々の「覚悟」、そして「政治的決断」だけなのだ。