学生が法律を勉強する際の方法を、誤解を恐れず大胆な二分法で分類するとすれば、
(1) その分野の専門家である学者の書いた基本書を使って勉強する方法
と
(2) LEC の「C‐Book」や Wセミナーの「デバイス」などのマニュアル本を使って勉強する方法
などが考えられると思います。
この『刑法総論の思考方法』は (1) の基本書を使って勉強する方法を採る場合に「“自説”として採用する基本書で説かれている各論点についての学説が対立する学説の間でどのように位置付けられるかを、マニュアル化された記憶中心学習に陥らず自分なりに思考できるよう導く」意図をもって書かれています。
マニュアル本とならないようにするためか、敢えて図表や箇条書きを使った論点整理をしていないのでマニュアル本志向の人には読みづらいと思いますが、そういうのは各自自分でノートなり裏紙なりに書きなぐって整理して頭に叩き込んでください。
結果無価値一元論と行為無価値・結果無価値二元論の両方を平等に扱ってはいますが、若干結果無価値一元論の記述が厚めになっている気がします。論点によっては致し方ないですが。
基本的にマニュアル本ではなく独習のための思考方法を提示するのが主眼の本なので、論点網羅を期待しないほうがいい、ということだけは付け加えておきます。補充すべきことがもし見つかったならば、この本に提示された思考方法を使って自力で何とかしてください。