あらゆる個性や自己主張を排して、ひたすらに平凡、もっと言えばダサく凡庸なものを追求してきた刑務所作業製品。都築はそこにものづくりの一つの極北を見出している。無印良品にあるミニマリズムの哲学すら、ここにはない。とにかく凡庸こそが刑務所製品のアイデンティティなのだ。最初から誰かに評価されることを期待していない内向的な佇まいの製品をこれほど並べてみると、不思議な迫力がある。一つ一つはどの製品もどうってことなく、そのどうってことない感じがやたらと懐かしい。刑務所製品に触れて育ったわけでもないのに、この懐かしさはどこから来るのか。多くの人が目をそむける日本人の平凡。相変わらず著者の着眼には唸らせられる。