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現役漫画家である著者が、記憶をたよりに細密な絵で描く『刑務所の中』は、そんな単なるヤジ馬的好奇心を満たしてくれるばかりではなく、狭い閉ざされた空間でヒトはいったい何を思い、どんなことに楽しみを見出して過ごそうとするものなのか(「マーガリンつきのパン食」のエピソードは必見)、しみじみと教えてくれる秀作である。
巻頭にはマンガ評論家の阿部幸弘らとの対談を収録。著者が3年の懲役を受けるに至った経緯が、自戒の念を込めて語られている。あとがきでは呉智英が著者の才能が潰れることがないようにと念じながら獄中の著者と手紙のやり取りをしていたエピソードを披露している。
獄中の著者が「一日が過ぎるのがものすごく早い」と独白しているが、四六時中監視されながら複数の人間が閉じ込められている「緊迫」と、生活のすべてが看守の号令のもと受身に過ぎていく「弛緩」に、読んでいるほうもあっという間に引きずりこまれて、しばらく抜け出せなくなるのでご用心あれ。(福山紫乃) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
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これなら刑務所に入ってもいいと思わせる可能性があるのは(少なくとも私は思った)社会的に問題アリかも知れないが、考えさせられることの多い漫画。
家具や生活道具などの、細かい描写にもびっくり。見れば見るほど緻密。昔、仕掛け絵本ってありましたよね。例えば、キッチンの絵に、いろんな扉がついてて、食器棚を開くとお皿が書いてあるって。そんな絵です。一こまの中に、普通なら見落としてしまいそうな、いろんなものが残らず書き込んであります。なんだか人の家を覗き見しているような、楽しさもこの本の大きな魅力でしょう。
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