映画は原作・花輪和一の実体験を元にした漫画を映画化したもので、
原作者の入所時の綿密なメモと記憶で“刑務所の中”が花輪和一目
線で見事に『刑務所の中』が再現されています。
はっきりいって面白いです。面白すぎます。恐らく花輪和一という
人の感性もあるのでしょうが、全くもって刑務所というイメージを
覆すような内容でした。
普通刑務所といえば、悪態をつく暴力刑務官や、受刑者同士のいざ
こざ、悲壮感などをイメージしますが、この映画では全然ありませ
んでした。
むしろ問題を起こした大人たちの学校という感じで、なんとも明る
いのです。服役をいっそ楽しんでやろうかというように見えます。
特に漫画家であった花輪和一氏は、絶対ネタになる。と思ったに違
いありません。
全体としてカタルシスや物語性は一切無いですが、刑務所の中を通
してなぜか温かい気持ちになるから不思議です。本当にいる人たち
だったのでしょうが、みんな個性的で、愛嬌があります。そういう
人たちが犯罪を犯し、服役していると考えると、社会的なメッセー
ジを勝手に想像もできます。
そういった一風変わった映画の配役を見事に演じた山崎努、他、共
演者に拍手を送りたい気分になりました。
個人的に漫画のように最後はラストらしく、もう少し締めてくれる
と良かったのですが、何ともいい映画を見たという気持ちにさせて
はくれます。