元刑事の書いた等身大の刑事が描かれている。
刑事本は、ある事件の詳細をドラマチックに描く、とか最近の犯罪の凶悪化警告するというのが定石だが、本書は著者の経験に基づき刑事の本音と主に窃盗犯の生の姿が中心となっている。
泥棒の取り調べや特徴などについて経験に裏打ちされた話題はとても興味深かった。
著者に好感を持ったのは、自己の功績を多少とりあげている一方で、多くの失敗談をありのままに書いている点である。
例えば、窃盗犯を逮捕するために出張し、軽い犯罪であったこともあって油断し前日にどんちゃん騒ぎをして犯人を取り逃がしたなどという苦い話は、普通中々書けないものである。
リタイアした刑事らしく後半には最近の若手層の経験の少なさに対する危惧や愚痴っぽい部分などもあって、読み物としてとても面白く一気に読了。
強くお薦めできます。