憲法・刑事訴訟法においては判例の深い検討が必須である。
判例を読まないと当該科目の具体的な問題解決思考を理解することができない。
そして百選シリーズは判例集の定本であるところ
刑事訴訟法の百選は伝統的に解説の水準が高く、解説・アペンディックスを含めて
すべて読み込むに値する内容を持っている。
9版については8版以降の重判登載判例から入ったもの、
公判前整理手続まわりのもの等新しい制度運用にあたって生成された判例が多い。
そして伝統的なリーディングケースについては劇的な入れ替えがあったわけではないが
解説は総入れ替えとなっているのが特徴である。
判例の精査もきっちりとされているし刑訴を学ぶなら間違いなく「買い」の一冊だろう。
それゆえ、厚い基本書を用いるより前に、アルマ等の薄い概説書と六法を片手に
この刑訴百選を解説を含めて丁寧に検討することを、まずもっておすすめする。
ただ、8版の解説のほうが理論的な鋭さを感じさせるものもあるにはあるので
8版を持っている読者も捨てずにおいておくのがいい。
この百選に物足りなさを感じるようになったら(件数が少ないと感じたら)
三井先生の判例教材を適宜使っていくのがおすすめである。
こちらは解説は無いが、判例の配置・章立てが理論的に正確であるため
刑訴学者の間でも定評がある中上級者向け判例集となっている。