恋人がバイクに引きずられ重体と知らされ現場に駆けつける片山。
現場には恋人が倒れた状態を示す線がチョークで引かれている。
呆然とする片山に間髪いれず「亡くなったそうだ。」
…。
天を仰いだ片山は、証拠資料となるチョークを踏み消し始める。
上司たちも止めようとしない。
「片山さん!」見かねた後輩が止めに入る。
「死ぬわけねえんだよあの娘が!明日会うって約束したばっかりなんだ!ふざけんな!お前、殺すぞ!バカなこと言うと!死ぬわけねえんだよ!」
しゃがみ込んで手でチョークをすっかり消してしまう片山。「死ぬわけねえんだよ!死ぬわけねえんだよ!」と叫びながら…。それが声にならない
咆哮になり、やがて、下を向いて静かに嗚咽しはじめる…。
20年以上前だと思いますが、たまたま友人の家で、録ってあったビデオでこのシーンを見ました。
あまりの場面に当時若かった私は耐え切れず、席を外してしまい、その後の展開は今日まで分からずじまい…。
それからずっと、この映画が私の中で引っかかっていました。
一度ならず、レンタル屋で見かけたことはありましたが、結局借りることはありませんでした。
今回の発売をたまたま知り、「もし今見て大したことなかったら、俺のいままでの20年は…。」
と躊躇しましたが(実際そういうことが何度かあったので)、購入しました。
杞憂でした。
あのシーンは当時の記憶そのままの素晴らしい、そして哀しい場面でした。
死んでしまう恋人も美しく、そして儚い。
涙なしには見られない映画でした。
後半も充分面白く、素晴らしい出来です。
観ていない人は、是非観てみてください。