本書は、長文の事例(総論8問・各論8問)について、判例・実務をベース
とした解説を加えた演習書です。
実務をベース、という言葉通り、実務家の方の解説が多いのが特徴です。
<刑事法1>に関して言えば、約10人の方が解説をしていますが、
大学院の教授、司法研修所の教官、家裁判事、高裁判事、検察官と
多種多様なメンバーが解説してくれます。
16題ある設例のうち、5題ほどが教授陣の解説で、残りが実務家の方々による
解説、ということからも本書の特徴が分かると思います。
また、実務における故意の認定、刑法の事例問題で検討すべきこと、といった
解説部分もあり、学生に対する配慮も感じ取れます。
本書の構成としては、
設例(2、3ページ)→検討のポイント→ 解説 →発展問題→ 課題
といった構成で、発展問題は設例を少し変えたもので、数行程度の解説が
ついています。 課題は設例に関連した別の問題で、解説はついていません。
解説の素晴らしさは、一度本書で確認していただくとして、もう一つ付け加えるなら
参考文献も充実している、という点です。
基本書と百選だけ挙げるようなものではなく、設例によっては2009年の論文なども
呈示してあったりするので、深く調べたくなった時にとても使い勝手が良いと思います。