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刑事失格 (創元推理文庫)
 
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刑事失格 (創元推理文庫) [文庫]

太田 忠司
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商品の説明

内容紹介

鴬橋派出所管内で起きた殺人が、刑事を目指す若き外勤警官の運命を変えた。死体に残された傷、調査員だった被害者の目的……真実は何処にあるのか? 阿南シリーズ第1弾。

内容(「BOOK」データベースより)

いなくなった飼犬捜し、蛇の捕獲、自転車置場にたむろする少年たちに対する苦情の対応―刑事を目指す青年巡査・阿南は、日常業務に忙殺されながら、やがて管内で起きた興信所員殺害事件の謎に直面する。「人間は間違ってはいけない」を規範とする青年がたどりついた悲しい真相とは?ひとりの青年の不器用な足跡を描く太田忠司渾身のライフワーク・シリーズ、鮮烈なる第一弾。

登録情報

  • 文庫: 310ページ
  • 出版社: 東京創元社 (2011/4/21)
  • ISBN-10: 4488490069
  • ISBN-13: 978-4488490065
  • 発売日: 2011/4/21
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 60,692位 (本のベストセラーを見る)
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形式:文庫
冒頭で主人公の「私」は警察を退職していることが明らかにされ、
そのきっかけとなった派出所勤務時代の悲劇的な連続殺人事件が
展開される。さらに物語が進むにつれて、「私」がそもそも警官
を志すことになった事件、警察の仕事に疑念を覚えるに至ったで
きごとも語られることになる。

本書には青春小説という色合いが濃い。全編に渡って描かれる、
自分と現実とのあいだに薄い膜を張られているかのような焦燥感
や違和感はまさしく若者特有のものだ。しかし、過去のふたつの
できごと、さらには本作での事件が主人公に与えた打撃は、心の
傷といって済ませるにはあまりにも大きく、青春小説のラストで
読者が期待するような未来への展望は感じられない。「私」の心
象風景を反映しているかのような暗く寒々とした情景描写とあい
まって、読後感は決してすっきりしたものではない。

にもかかわらず、自分にあまりにも正直な主人公の生き方は読者
(若者にかぎらず)に強い印象を与えるはずだ。暗い過去を背負
い、闇を抱えた主人公という造形はハードボイルドではありふれ
ている。しかし本書は、その暗い過去をまず正面から取り上げる
ことで、ひとりの人間の精神的な成長を描くことに成功している。

なお、本書は、1990年にデビューした太田忠司が初期に手掛けた
ミステリーだが(92年に講談社ノベルスで初版)、筆致に未熟な
ところはいささかもみられないばかりか、現在(2011年)読んで
古くなった感じもまったく受けない。続編『Jの少女たち』、
『天国の破片』も同じ創元推理文庫から再版されているので、是
非読んでみたい。
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