リチャード・ウィドマークが渾身の演技を見せている。市警本部長役のヘンリー・フォンダをはじめとする豪華キャストも見逃せない。
リチャード・ウィドマーク扮するマディガン刑事と相棒のボナロ(ハリー・ガーディノ)は容疑者の連行中、あろうことか容疑者に銃を奪われ逃げられてしまう。マディガンとボナロの必死の捜査が始まる。
警察内部の汚職、警察本部長の不倫、マディガンの家庭の不協和音。さまざまな人間関係を織り交ぜながら物語りは進む。
警察組織という管理社会の中で浮いてしまいがちなマディガン。失点を取り戻そうと焦るマディガンは、追い詰めた容疑者の凶弾に倒れる。だがマディガンの死よりも、警察幹部にとっては日々のルーティン業務の処理のほうが優先課題である。「ダンのことなんて何も知らないくせに! あなたにとってはただの刑事に過ぎないのに」。殉職したマディガンの妻ジュリアが本部長に浴びせた悲痛な訴えが耳から離れない。
多くのサラリーマンがマディガンに自分の姿を重ね合わせて、共感を覚えると思う。
監督は「ダーティ・ハリー」のドン・シーゲル。ダーティ・ハリーに比べるとかなりヒューマンなドラマに仕上がっているが、仕上がりの密度と緊張感は犠牲にされてはいない。