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切羽へ (新潮文庫)
 
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切羽へ (新潮文庫) [ペーパーバック]

井上 荒野
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (26件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

第139回(平成20年度上半期) 直木賞受賞

出版社 / 著者からの内容紹介

夫以外の男に惹かれることはないと思っていた。彼が島にやってくるまでは……。

静かな島で、夫と穏やかで幸福な日々を送るセイの前に、ある日、一人の男が現れる。夫を深く愛していながら、どうしようもなく惹かれてゆくセイ。やがて二人は、これ以上は進めない場所へと向かってゆく。「切羽」とはそれ以上先へは進めない場所のこと。宿命の出会いに揺れる女と男を、緻密な筆に描ききった美しい切なさに満ちた恋愛小説。 --このテキストは、 ハードカバー 版に関連付けられています。

登録情報

  • ペーパーバック: 241ページ
  • 出版社: 新潮社 (2010/10)
  • 言語 日本語, 日本語, 日本語
  • ISBN-10: 4101302545
  • ISBN-13: 978-4101302546
  • 発売日: 2010/10
  • 商品の寸法: 15.4 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (26件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 130,393位 (本のベストセラーを見る)
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By uirou VINE™ メンバー
形式:ハードカバー
何か起こるのだろうか、と思いながら、下世話なことを期待しながら、何も起きないのかもしれないと思いながら、
ただひたすらに読み進めてしまう、セイさんの心の揺れを追ってしまう、謎。
読み終わった後の虚脱感。

思いを告げられなかったときと同じかもしれない。

切羽までは行ける、でもその先へは進むことができない、掘り進むことのできなかった人たちが自分たちをなぞるための小説か。
結論ではなく、揺れ動く自分を残されてしまった。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By サン
形式:ハードカバー|Amazonが確認した購入
読んでいて、設定がやけに分かり易くエロティックだなぁ と思った。
登場人物の輪郭がステレオタイプに分かりやすい>が安っぽくならないというのは
最新刊『静子の日常』でも感じたが、これは作者のたぐいまれな文章力ゆえの余裕か。

閉じられた南の島というロケーションに
長い髪にいつも白いブラウスとニットのロングスカートという画家の妻。
おまけに(ナースではないが)彼女は養護教員。

グラーマーで、その上いつでも体にぴったり張りつく服を着ている
『本土さん』と戦闘的な不倫をかさねている同僚の女教師。
そこへ「地の裂け目から現れたような」殉教のキリストとみまがう顔をした不思議な男。
なんと こちらは音楽教師。

岬の住宅で初めて見かけた男はなぜか木製の大きな本棚をハンマーで叩き壊しており
霧雨にけぶる校庭には男の弾くピアノが流れ...
と こういうふうに書くとなんだかハーレクイン小説のようだが
実際「大人のための恋愛小説」という意味で上質なハーレクインなんだと思う。

抜群の文章センスと卓越した緻密な構成力(プラス作者の洒脱な感性)が
ややもすれば『叙情的』『純文学的』な方向に読者を連れ去ってしまうが
この作品は直木賞の位置にあってこそ正しい。
恋愛小説ときいて一番に挙げたい一冊に姫野カオルコ「ツ・イ・ラ・ク」があるが
余談ながらこちらは(やって やって やって)やりながら、 純愛に向かっている。

反してなにもしないこと...のいやらしさ(ほかに的確な日本語がみつからないので)としたたかさ。
「寝た、寝た」と公言する同僚の教師、月江の「妻って人種はきっとみんな妖怪なのね」
という言葉に主人公セイの設定を面白がりつつ
移ろう島の自然の如くそれを静観している作者井上荒野が垣間見える。
保健室で男の棘を抜くセイと、セイが微妙に使い分ける島言葉のエロチシズム効果は抜群。
文章にムダがなくさすが井上光晴の娘さんという言い方は失礼か。

どこを取り上げてもクラクラするほどいやらしい...
と 言うような不埒な読み方も出来る軸のしっかりした一冊。
このレビューは参考になりましたか?
16 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By pecan
形式:ハードカバー
一番心に残ったのは主人公のセイの夫である。セイの心の動きを本人以上に全て敏感に感知していたのは夫ではなかっただろうか。石和の存在により、セイの心の中に立った小さな波に気づく。ただ、それを本人に問い詰めることはしない。ただ、見守る。大きくならないよう念じながら見守る。ただ、見守るだけ。東京での打合せもそこそこに予定より早く戻ってきてセイを見守る。

夫にとって一番の試練は、亡くなったしずかさんの遺品の整理にセイが向かったときである。そこには小学校を辞めて行方不明になった石和が来ているであろうことをなぜかセイは予感していた。夫も自分から離れていくセイを追って、故しずかさん宅に向かう…。しかし、セイは現れた夫にを残して、石和とある場所に向かう。そこがこの本のタイトルでもある“切羽”である。帰ってこないかもしれない妻を気をもみながら待つ夫の気持ち。“あのとき夫は、床にぺたりと座り込み、私たちが放り出していった作業を一人黙々と続けていたのだ”という切羽から夫のもとに帰ってきたセイの回顧シーンに現れている。戻ってきた妻が自分を呼ぶ声に、夫は振り返り、“ああ、戻ってきたとね”と妻に微笑するのである。

そして、最後に石和が島を出て行くのを、一人で見守り、そっと祝杯をあげる。

そんな愛する妻を見守る夫の物語は、淡くかすかだが、確かに張り巡らされた伏線から読み取ることができる。セイが切羽から引き返してくることができたのはこの夫ゆえなのだろうか。
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最近のカスタマーレビュー
妻がこんなことを考えていたらと思うと怖い
恋は理屈じゃないと改めて思わせられた。人生ってほんの少しの偶然によって作られているんだなと怖くなった。
投稿日: 2か月前 投稿者: taiper
大人の恋愛小説
舞台は小さな島、小学校の養護教諭であるセイは画家の夫と暮らしてる。
奔放な同僚の女教師、島の主のうような老婆、無邪気な子供たち、平穏... 続きを読む
投稿日: 4か月前 投稿者: フォーク世代
精神
井上荒野の「切羽へ」を読了。直木賞受賞作品。精神世界で繰り広げられる官能の世界。主人公の心の動きだけで構成されている作品。解説の山田詠美も指摘しているように、主人... 続きを読む
投稿日: 5か月前 投稿者: hiraku
書かれなかったもの
30ページも読めば、その後の展開は易々と想像できる作品に面白みを感じることは中々難しい。... 続きを読む
投稿日: 14か月前 投稿者: in-sight
ねっとりした文体に、賛否両論あるかと思います。
女性の書く小説を読むと、その「女性らしさ」に少し飽きることがあるのですが、
この本にはそんな感想を抱きました。... 続きを読む
投稿日: 16か月前 投稿者: inu
とにかくエロティック!
ベッドシーンがないのに、こんなにエロティックな小説って初めてかも。
アオサのみそ汁とか、島ならではの食べ物の描写もおいしそう…。... 続きを読む
投稿日: 17か月前 投稿者: すーさん
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井上荒野の文章は本当に美しい。そぎ落とされた文章で読者の想像を書きたてる。こんなに感情を揺さぶられる本はあまりないのではないかしら。... 続きを読む
投稿日: 2010/3/4 投稿者: ビオス
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投稿日: 2009/11/11 投稿者: Tochitli
ゆっくり読みましょう
簡単な文なのであっさり読めるが、
ゆっくり味わいながら読まないと、それで終わりなの?って感じだろう。... 続きを読む
投稿日: 2009/6/6 投稿者: kumin
印象派の絵画のよう
印象派の絵画鑑賞をし終わったかのような読後感。
人間味あふれる脇役たちが繰り広げるドラマと
主人公の緩慢な心の動きが対照的。... 続きを読む
投稿日: 2009/4/6 投稿者: アマゾン花子
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