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井上 荒野 (著)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

夫以外の男に惹かれることはないと思っていた。彼が島にやってくるまでは……。

静かな島で、夫と穏やかで幸福な日々を送るセイの前に、ある日、一人の男が現れる。夫を深く愛していながら、どうしようもなく惹かれてゆくセイ。やがて二人は、これ以上は進めない場所へと向かってゆく。「切羽」とはそれ以上先へは進めない場所のこと。宿命の出会いに揺れる女と男を、緻密な筆に描ききった美しい切なさに満ちた恋愛小説。


内容(「BOOK」データベースより)

静かな島で、夫と穏やかで幸福な日々を送るセイの前に、ある日、一人の男が現れる。夫を深く愛していながら、どうしようもなく惹かれてゆくセイ。やがて二人は、これ以上は進めない場所へと向かってゆく。「切羽」とはそれ以上先へは進めない場所。宿命の出会いに揺れる女と男を、緻密な筆に描ききった哀感あふれる恋愛小説。

登録情報

  • ハードカバー: 204ページ
  • 出版社: 新潮社 (2008/05)
  • 言語 日本語, 日本語, 日本語
  • ISBN-10: 4104731021
  • ISBN-13: 978-4104731022
  • 発売日: 2008/05
  • 商品の寸法: 19.6 x 13.8 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (21件のカスタマーレビュー)
  • Amazon.co.jp ランキング: 本 - 40,631位 (本のベストセラーを見る)

    カテゴリーランキング:

    196位 ─   > 文学・評論 > 文芸作品 > 日本文学 > あ行の著者
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5つ星のうち 4.0 うつろう, 2008/7/20
行間にあふれるものを掬いあげながら読まないと、と思いつつもさらさらと
読めてしまう文体につい先を急いでしまう。
「三月」から月を追って、ぐるりと季節がめぐり「四月」まで。
舞台は九州の小さな島。主人公のセイは島の小学校の養護教諭。夫は画家だ。
このセイの秘めた恋心の移ろいが綴られてゆく。
新任教師・石和に惹かれながら、なにも進展はない。
石和の気配やことばの端々や、行動の意味するところや、さまざまな
触れることのかなわない彼の痕跡に、セイはただ心を這わせる。
その描写が妙に官能的だ。
心に夫以外の人がいて、それを周りに気取られまいとはするが、
醸しだされる凝縮された、ある感じが非常にリアルで
ちりちりと灼かれるセイの胸のうちが滲み出る。

のんきな島暮らし。なんでも筒抜けだが、それと認めあってしまえば気楽なものだ。
まわりの人々も性に関することでさえ鷹揚に口にしてからかったりするほどだ。
セイとは対照的な位置に在るのが、島の住民も公認の奔放な不倫を続ける
女教師・月江だ。月江の派手な恋愛模様が描かれることで、
セイの心のたゆたいが匂やかに引き立つ。
登場人物のなかで忘れてならないのは、老女・しずか。「きっきっき」といやらしい笑い方を
してはセイをやりこめることで、コミュニケーションをとるばあさんだ。
病を得て入院中でも、命の残り火を点すように口にする男の名前。エロティックなのだが
むしろその思いにあるエネルギーに、私は気圧された。

セイの恋は「切羽」ということばに象徴されているが、これは荒野さんの妹の名前
でもあるという。としてみれば、荒野さんには「切羽」のイメージも意味も身に親しんだもの
であったに違いない。

ラストのセイの行動が意味するところは、二通りの解釈ができそうだ。
しばし、思いを致し余韻を楽しんだ。
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13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 「気配」を写しとった小説, 2008/12/18
第139回 直木賞受賞作品。


「気配」を写しとった小説。

みつめる眼差し、声のトーン、不自然なみじろぎ・・・
秘めても秘めても漏れ出してしまう恋の気配。

その二人の間に磁場が発生していることは、何も行動に起こさなくても周囲に伝わる。
自分も知っている、相手も同じ思いでいてくれる、夫も気づいている、
親しい友達にも、それどころか、勘のするどい遠い他人にさえ・・・。


キスさえしない。
それなのに、身体ごと持っていかれる。

初めてです、こんな恋愛小説。
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15 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 誰もが口にしないが知っている秘密, 2008/8/4
By ドクトルg (新潟県) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
 離島の日常である。絵描きの夫と静かに幸せに暮らす養護教諭である。官能小説にも恋愛小説にもなりようもない設定である。寿命の尽きそうなばあさんが、淫夢を見ているらしいということが、大事件のように囁かれてしまう平穏な離島である。
 そんな小説世界なのに、非常にエロチックで、たまらなく緊張感のある恋愛小説である。物理的にはほとんど何も起こらない。手さえ握り合わない。だがセイと石和は、間違いなく惹かれ合っている。周囲の何人かも、確実にそのことに気がついている。気づきながら誰も言葉にしない。
 独白も解説もなくそんな様子を描ききっている。もしも何かが起こってしまったら、とたんにつまらない小説になってしまったかもしれない。ひょっとしたら、すべての女性が一つは持っているに違いない秘密を、言葉少なに描ききっている。
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こんな描き方って好きだなあ〜
井上光晴の娘さんかあ、さすがだなっておもった。
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